■「苦しいんなら俺の背を見て戦え」飛信隊を奮わせた信の檄
激戦となった「黒羊丘の戦い」では、秦軍総大将・桓騎と、趙軍総大将・慶舎の知能戦が繰り広げられる。
飛信隊や紀彗軍の奮闘もあり、両軍は一進一退の攻防を続けていた。5つの丘がある黒羊丘だが、特に中央の丘を占拠すると戦況が有利となるため、ここを制するのが両軍の目標となっていた。
戦局が大きく動いたのは、沈黙を続ける桓騎に業を煮やした慶舎が丘の中腹から下りて飛信隊を狙った場面である。
ここで桓騎は、破壊力のあるゼノウ一家を使って慶舎へ突撃を食らわせ大混戦に。しかしそこに紀彗軍が割って入り、慶舎は何とか本陣へと逃れることに成功する。ただ、それを見ていた飛信隊は、少数で慶舎の本陣へと奇襲を仕掛けるのだ。
慶舎の本陣は守りが分厚く、飛信隊は連戦の疲れから勢いを失いかけていた。戦列を離れていた羌瘣の復帰により一時は盛り返すものの、慶舎の側近たちは精鋭揃いで突破できない。
その時、先頭に立って敵をなぎ倒していったのが信だった。信は王騎が先頭に立つと軍は10倍の強さが宿ったことを例に挙げ、力尽きかけていた隊員たちに向かって「苦しいんなら俺の背を見て戦え」「俺の背だけを見て 追いかけて来い!!」「続け飛信隊っ!!」と檄を飛ばす。
これにより息を吹き返した飛信隊は、その後、激しい戦力差を覆すほどの強さを見せつけていった。その後、隊員たちは周囲の敵を引き受け、ついに信は慶舎と一騎討ちに持ち込み勝利する。信の背中は最高にカッコよく、それは亡き大将軍・王騎を思い出させるものだった。
『キングダム』にはほかにも、武将たちのカッコいい檄による士気高揚の名シーンがたくさん登場する。今回紹介した以外でも、多くの武将たちが兵士たちを奮い立たせており、見ているこちらも感動と勇気をもらえるものだ。
2025年10月から、第6シリーズの放送が決定している『キングダム』。どんな熱い展開が繰り広げられるのか、今後も楽しみにしたい。