
『ドラゴンクエスト』シリーズと並ぶRPGの人気作『ファイナルファンタジー』シリーズ。この2作は、主人公たちが戦う敵キャラの見た目に大きな違いがあった。『ドラクエ』シリーズでは漫画家の鳥山明さんがキャラクターデザインを担当しており、スライムなどに代表されるかわいらしいデザインが特徴である。
一方、初期の『FF』シリーズでキャラクターデザインを手掛けてきたのは画家の天野喜孝さんで、登場する敵キャラは怖くて強そうな印象を抱かせるものが多かった。序盤に登場するザコ敵の代名詞・ゴブリンですら、目つきがするどく凶悪で強そうな印象だ。
だが、そんな初期の『FF』シリーズにも、一見弱そうに見える敵キャラクターがいる。とはいえ、必ずしも弱いわけでなく、その見た目に騙されて全滅に追いやられることも多かった。
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■おいしそうな名前と見た目に騙される、プリン系モンスター
まずはその名前からして弱そうな印象を受ける、プリン系モンスターである。シリーズの常連モンスターで、「イエローゼリー」や「レッドマシュマロ」といったおいしそうなお菓子の名前がついているが、異常に高い防御力を誇り、通常攻撃ではなかなかダメージが通らない。
初見では「強すぎる」と思ったプレイヤーもいたかもしれないが、魔法で弱点をついて攻撃すれば簡単に倒せるので、弱点さえ覚えてしまえばなんということはない。
プリン系モンスターは、『FF4』では「パープルババロア」や「ホワイトムース」など、さらにおいしそうな種類が加わった。これらの敵も弱点をつけば大したことはないが、最強のプリン系モンスターの「プリンプリンセス」だけは要注意モンスターだ。
プリンプリンセスはラストダンジョンの特定の場所にしか出現せず、出現率も低いので、出会ったことがないプレイヤーもいるだろう。ただ、このモンスターは「ピンクのしっぽ」という貴重なアイテムを低確率でドロップするので、それを知った当時のプレイヤーたちはこぞって狩りまくった。
しかし、プリンプリンセスはこれまでのプリン系モンスターと違い、高い防御力がない代わりにHPと攻撃力が異常なまでに高い。しかも戦闘がはじまってしばらくすると突然踊り出し、ランダムに味方キャラをバーサク状態にしてしまうのだ。バーサク状態になると攻撃力が上がる一方、こちらの命令を受け付けなくなるので、回復役のローザあたりがそうなってしまうと高い攻撃力であっという間に倒されかねない。
最悪、魔法で攻撃できるリディアがバーサク状態にならなければなんとかなるのだが、油断すると全滅もありうる意外な強敵である。
■パッと見はかわいいリス?『FF5』のどくろイーター
『FF5』はこの手の“意外な強敵”が多い印象だが、その中でもインパクトがあったのが、ジャコールの洞窟に出現する「どくろイーター」である。
ジャコールの洞窟は、飛空艇を手に入れてから行くことができる場所だが、ここには序盤に登場する「ナッツイーター」が頻繁に出現する。ナッツイーターの見た目はかわいいリスであり、この時点では完全なザコである。
そう思って油断しているところに、時々現れるのが「どくろイーター」だ。ナッツイーターの色違いなのでザコと思いがちだが、攻撃をしてもダメージは0。なら魔法攻撃を、となるとこれまたダメージは0で、しかも6体に増殖するのだ。
そのうえ攻撃力がケタ違いに高く、この洞窟に到達した頃のレベルだと一撃で倒されるぐらいの攻撃力を誇る。おそらく多くのプレイヤーがこのモンスターに騙されて散っていたことだろう。
救いなのは、自分から逃走する確率が結構高いことであるが、スピードも速いため、そうでない場合はあっという間にやられてしまう。
ただ、HPは1しかないので、防御力を無視できる攻撃があれば倒すことは可能だ。筆者は、風水士を連れていって「ちけい」で時々出る「しょうにゅうせき」で倒していた記憶があるが、これも運次第だ。
『FF5』には苦しめられた敵は多いが、どくろイーターは出会うのがまだ序盤なのもあって、とりわけ印象が強い。