『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』ドゥー・ムラサメの未来は悲劇的?歴代『ガンダム』作品から紐解く「多数の不安要素」の画像
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』公式X(@G_GQuuuuuuX)のポストより

 5月13日放送の第6話「キシリア暗殺計画」も大反響だった『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』。「もしシャア・アズナブルがガンダムに乗っていたら」から始まる「ifの宇宙世紀」を描く本作は、最新話が放送されるたびに『ガンダム』ファンを驚かせ、そのハートをつかみ続けている。

 

※本記事には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』および『機動戦士ガンダム』シリーズの内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。

 

 そんな『ジークアクス』第6話に新登場したパイロットの少女ドゥー・ムラサメが「絶対に死ぬのでは?」と視聴者の間で話題だ。タッグを組んだモビルスーツで戦う「クランバトル」を行う同作で、主人公アマテ・ユズリハ(マチュ)の次の対戦相手と目されるドゥーだが、作中の描写を検証すると生き残れる気が全くしないほど「死亡フラグ」が立ちまくっているのだ。

 今回は『ガンダム』シリーズの過去作を紐解きながら、ドゥーの不安要素を考えていきたい。彼女は生き延びることができるのか……?

※本記事には作品の内容を含みます

■『Zガンダム』ファンなら忘れられない…「ムラサメ研究所」出身の強化人間

 作中で、同く新キャラであるゲーツ・キャパ中尉によって「ムラサメ研」の出身であることが明かされたドゥー。「ムラサメ研究所」といえば、一年戦争後の連邦軍が強化人間の研究・開発を行っていた場所であり、歴代の『ガンダム』シリーズを観てきたファンなら、これだけで十分すぎるほどに嫌な予感がしているはずだ。

 強化人間とは、アムロ・レイに代表されるニュータイプ能力を人工的に生み出すため、文字通り、改造を施された人間。ニュータイプに比肩する感応力や直感を発揮する反面、副作用として精神が不安定になってしまう者が多い。

 宇宙世紀を舞台にした『ガンダム』作品において、強化人間の死亡率は非常に高い。『機動戦士Zガンダム』のフォウ・ムラサメやロザミア・バダム、『機動戦士ガンダムZZ』ならキャラ・スーンにマシュマー・セロと、いずれも悲劇的な最期を迎えている。狭義の強化人間からは外れるが、エルピー・プルやプルツーもそうだ。

 ifとはいえ、宇宙世紀が舞台の『ジークアクス』にも強化人間の宿命があるならば、ドゥーもかなり危うい。

 また、ムラサメ研究所といえば、『Zガンダム』において、主人公カミーユ・ビダンと心を通わせたフォウ・ムラサメの出身施設でもある。過度な処置で心の均衡を失ったフォウは、カミーユの必死の呼びかけも叶わず暴走し、最期はカミーユをかばって命を落とす悲劇のヒロインとなってしまった。同じく「ムラサメ」を名乗るドゥーもまた、哀しい歴史をくり返してしまうのだろうか。

■パイロットがことごとく散っていった…愛機があの「サイコ・ガンダム」

 ドゥーは、自分自身を「サイコ・ガンダムの心臓」と認識しており、「早く本当の体に戻りたい(早くサイコ・ガンダムに乗りたい)」と語っている。

 サイコ・ガンダムといえば、『Zガンダム』に登場する可変式の超大型モビルアーマーだ。搭載されたサイコミュでパイロットの精神を蝕みながら、メガ粒子砲で街を焼き払う姿はかなりインパクトがあった。

 さて、このサイコ・ガンダムだが、実は「搭乗した女性パイロットが命を落とす」というジンクスがある。

 初代パイロットのフォウはカミーユを守るために命を落とした。後継機のサイコ・ガンダムMk-IIに乗ったロザミアも、「お兄ちゃん」と慕ったカミーユのビームライフルに貫かれ、幸せな幻を見ながら散ってしまう。

 続編の『ガンダムZZ』では、ネオ・ジオンの手に渡ったサイコ・ガンダムMk-IIに、プルのクローン、プルツーが搭乗。サイコ・ガンダムに乗っている間は無事だったが、最終話で主人公ジュドー・アーシタを救い出したプルツーが、意味深に眠るシーンが描かれている。作中で明確には語られていないが、その後登場しない点や小説版で死亡が明言されている点から考えても、彼女は死んだと考えるのが自然だろう。

 このように、サイコ・ガンダムは自身のパイロットの運命を決定づけてきた、いわくつきの機体なのだ。星の数ほどあるモビルスーツやモビルアーマーのなかで、サイコ・ガンダムがドゥーの愛機に選ばれた意味を考えずにはいられない。

■イズマ・コロニーが崩壊する!? 次回予告で示唆された「コロニー内での戦闘」

 『ジークアクス』第6話の内容だけでも、ドゥーの今後は不穏すぎる。

 15秒程度の第7話予告映像ではドゥーが操っていると思われるサイコ・ガンダムの戦闘シーンがあるが、戦いの舞台となっているのはコロニー内部の市街地だった。場所はマチュが住むイズマ・コロニーと思われる。『Zガンダム』第17話でホンコンシティを壊滅させたサイコ・ガンダムを思い出した人もいるのではないだろうか。

 ドゥーの目的は、同じく強化人間であるゲーツの指示のもと、イズマ・コロニーを訪れるキシリア・ザビを暗殺すること。予告映像には、高層ビルより巨大なサイコ・ガンダムが両手から特大ビーム砲を発射し、街を焼き払うシーンもあった。はたしてここから予想される惨劇を、ドゥーは引き起こしてしまうのだろうか。

 ここまで『ガンダム』過去作を踏まえながら、ドゥーの不安要素を見てきた。第4話でシイコ・スガイが、第5話でガイアとオルテガが命を落としている。過去作を知るファンであれば、ドゥーの悲運をどうしても想像してしまうことだろう。

 もし本当にドゥーが命を落とすのであっても、カミーユとフォウが心を交わしたように、プルツーが自分の意思でジュドーを生かしたように、何かしらの救いがあってほしいところ。その答えが出るであろう『ジークアクス』第7話が今から楽しみであるが、同時に怖さもある、というのが正直な心境だ。

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