エルバフ編での登場にも期待!『ONE PIECE』誇り高き巨人族に伝わる「エルバフの槍」が見せた驚異の破壊力の画像
『ONE PIECE Log Collection』“BIG MOM"(エイベックス・ピクチャーズ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 4月より放送再開となったアニメ『ONE PIECE』の「エッグヘッド編」が盛り上がりを見せる一方、3月4日に発売された単行本の最新111巻では麦わらの一味がついに巨人族の住む島「エルバフ」に上陸。こちらも非常にアツい展開を繰り広げている。

 巨人族はこれまで数多くの個性的なキャラクターたちが登場しているが、その巨躯から繰り出される戦闘描写はなんとも圧巻。なかでも巨人族に伝わる「エルバフの槍」なる一部の技は、目の前にある障害を難なく突き通す驚異的な破壊力を見せている。

 今回は、これまでに何度か使用された「エルバフの槍」に注目し、それぞれどのような技の特徴を持っていたのか、シーンとともにじっくりと振り返っていきたいと思う。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

 

■友の船出に活路を開く「覇国」

 “偉大なる航路(グランドライン)”序盤の島「リトルガーデン」で登場した、巨人族の“青鬼のドリー”と“赤鬼のブロギー”。

 その海域には島を食い潰すほどの巨大な金魚・島食いが現れるため、リトルガーデンを出航した船は次の島まで辿り着けない。そこでドリーとブロギーは、絆を深めた麦わらの一味の出航を手助けするために武器を取る。

 出航直後、一味の目の前に大陸ほどの巨大な島食いが現れるが、「我らを信じてまっすぐ進め!!!」というブロギーの言葉に従ったことで、ゴーイング・メリー号ごと飲み込まれてしまうルフィたち。

 一方でドリーとブロギーは「エルバフに伝わる巨人族最強の“槍”を見よ…!!!」と、武器を構える。直後に2人が勢いよく武器を振り抜くと海面に亀裂が走り、「“覇国”っ!!!!」という言葉とともに島食いに巨大な風穴をあけるのである。

 まさに槍で突き通したような規格外の斬撃は飲み込まれた麦わらの一味を救い、そのスケールのデカさにウソップは涙するのであった。

 攻撃に際して、直前の戦いで傷を負っていたドリーは傷口が開いていたほか、100年以上使い続けた2人の剣と斧が壊れてしまっていることから、巨人族といえど並みの反動ではないことが伺える。

 注目すべきは、島食いだけを貫きその斬撃のど真ん中にいた麦わらの一味は無傷だったという描写だ。豪快さの中にある繊細な技のコントロールは、歴戦の戦士の成せる技ということだろうか。

 この2人の「覇国」は1079話で、キッド海賊団に向けても放たれていた。直撃を受けたキッド海賊団の船「ヴィクトリアパンク号」は、船体中央を激しくえぐられ真っ二つになり、沈没してしまっている。

 ただ、斬撃の規模を見てみると、島食いに向けて放たれた「覇国」よりは威力がかなり抑えられていることがわかる。“壊滅”と描写されていたことからも被害が甚大なのは一目瞭然だが、あくまでも戦闘不能にしただけで再起の可能性はわずかに残した、という意図が含まれているような気がするのは筆者だけだろうか。

 そんな破壊力抜群の「覇国」だが、リトルガーデンでドリーが「我らに突き通せぬものは“血に染まるヘビ”のみよ」と言及している。「覇国」ですら貫けない“血に染まるヘビ”とは果たして何なのか。怒涛の展開を見せる「エルバフ編」にて、その存在がやがて明らかになるのかもしれない。

■標的を貫く四皇の威厳「威国」

 幼少期をエルバフで過ごした経験がある“四皇”ビッグ・マムも「エルバフの槍」を使う場面がいくつかあった。

 サンジの結婚式用に用意されたウエディングケーキをルフィが破壊したことで、ビッグ・マムは食いわずらいを発症。誘惑の森の主・キングバームに乗って逃走する麦わらの一味に迫ったビッグ・マムは、「くらえよ…!! “エルバフの槍”…」と大剣ナポレオンを構え「威国」を放つのである。

 「覇国」と同様に強力な斬撃を描写した「威国」は、キングバームの半身をえぐるだけでなく、遥か彼方の海上まで衝撃を与えており、驚異的な貫通力を見せた。

 ドリーとブロギーが2人で放った「覇国」に対し、ビッグ・マムは1人且つ足場も不安定な状態でこれほどの威力を出すのだから、さすがは“四皇”といったところだろうか。

 「ワノ国編」988話でルフィに向けて再び放たれた「威国」は、ドクロドームを貫通して屋外まで破壊する様子を見せていた。しかし、至近距離で放ってもルフィには回避されていたことから、見聞色の覇気を使える猛者であれば回避可能なスピードなのかもしれない。

 さらに1030話の1コマではキッドが「威国」の直撃を受けていたが、意識まで喪失することはなくすぐに戦線に復帰できていた。

 これらのシーンから見て「覇国」ほどの威力はないことがうかがえるが、割と手軽に連発できそうな点を見ると、やはり「威国」も十分な脅威だと言えるだろう。

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