「シュラク隊」に「M1アストレイ隊」、存在を抹消された秘匿部隊も…歴代ガンダム作品「女性だけの部隊」がたどった末路の画像
レーザーディスク『機動戦士Vガンダム 03』(バンダイビジュアル) (c)創通・サンライズ

 『ガンダム』シリーズには、優れた女性パイロットが数多く登場する。とくにニュータイプや強化人間の女性パイロットは素晴らしい能力を持ちながら、なぜか悲しい最期を迎えるケースが非常に多い。

 しかし作品によっては、女性パイロットばかりで構成された部隊や小隊も存在する。今回は、そんな珍しい女性だけのチームをピックアップし、彼女たちが戦う理由やたどった末路などを振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■女性で構成された部隊のあまりにも救いのない最期

 アニメ『機動戦士Vガンダム』に登場する「シュラク隊」は、隊長の「オリファー・イノエ」を除くと、全員が女性パイロットという部隊だ。

 部隊名の「シュラク」とは英語で鳥のモズ(百舌)を意味し、隊のエンブレムにもモズの姿が描かれている。小さい鳥ながらも獲物を串刺しにする獰猛さを持ち、まさにシュラク隊のイメージにピッタリの名といえる。

 リーダー格の「ジュンコ・ジェンコ」を筆頭に、初期の女性隊員は6名。大半のメンバーの出自は明かされていないが、「マヘリア・メリル」と「ケイト・ブッシュ」は事故で家族を失ったことが分かっている。

 主に搭乗するMSは、リガ・ミリティアの主力量産機の「ガンイージ」。これは「Vガンダム」開発時のプロトタイプをベースに作られた機体だ。

 劇中でのシュラク隊は、主人公「ウッソ・エヴィン」たちのいるカミオン隊と合流後、年下の少年パイロットであるウッソのことを何かと気にかける姉貴分のような存在となる。しかし、ザンスカール帝国との戦いが激化していくなか、シュラク隊のメンバーたちは次々と散っていった。

 とくに悲劇的な最期を迎えたのは、宇宙に物資を運ぶ大切な施設「マスドライバー」を崩壊から守りつつ、コクピットをビームサーベルで貫かれたケイトだろうか。

 そしてシュラク隊に残された最後のひとりとなった初期メンバーが「コニー・フランシス」。彼女がウッソに伝えた「おまえを守ってやれるシュラク隊は、私ひとりになってしまったよ!」というセリフがなんとも切なかった。

 そんなコニーも第50話でカテジナ・ルースの怒りを買い、ゴトラタンのビームライフルを食らって無惨に殺されている。

 隊長のオリファーも含め、結局シュラク隊は全滅してしまったが、彼女たちの思念は最終戦までウッソを導き、彼もそれに応えるかのように戦ってザンスカール帝国との過酷な戦争を終わらせた。

■「平和の国」の守り手となった三人娘

 アニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する「オーブ連合首長国」の国営軍事企業「モルゲンレーテ社」で、テストパイロットを務めていたのが「アサギ・コードウェル」「マユラ・ラバッツ」「ジュリ・ウー・ニェン」の三人娘だ。

 彼女たちは、オーブ軍初となる主力量産機「M1アストレイ」の配備にともない正規パイロットとしてオーブ軍に加入。3名は「M1アストレイ隊」や「オーブ三人娘」などと呼ばれ、視聴者からも人気を集めた。

 そしてオーブは、大西洋連邦に軍事侵攻を受ける。アサギたち三人娘も出撃したが、正規兵に比べると技量の低さは否めず、未熟な面をさらす場面も多かった。

 その後、祖国を失ったアサギたちは、キラたちと終わらない戦争を止めるために第三勢力として戦い続ける。しかし最終決戦における激戦のなかでアサギ、マユラ、ジュリの3名は全員戦死した。

 そんな彼女たちが心血を注いで開発したM1アストレイの後継機「ムラサメ」は、次代の主力量産機となり、オーブの新たな守り手として活躍することとなる。

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