幸福をつかんだのは誰?セイラ、フラウ、ミライ…『機動戦士ガンダム』ヒロインたちの「その後」の画像
『GUNDAM HISTORICA 06』(講談社)

 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』でのキャラの再登場や、4月よりサービスが開始されたスマートフォン向けアプリ『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』などで再び注目が集まっているテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。宇宙戦争を舞台にしたシリアスなストーリーの中で、多くのキャラクターが登場する同作では、主人公のアムロ・レイの周りにいるヒロインたちも魅力的な人物ばかりだ。

 セイラ・マスやマチルダ・アジャンは特に人気が高いキャラだが、フラウ・ボゥ、ミライ・ヤシマといったヒロインたちも根強い人気を誇っている。マチルダが作中で劇的な死を遂げてしまった一方、セイラ、フラウ、ミライの3人は最終回まで生き残った。そこで今回は、初代ガンダムヒロインたちの「その後」を紐解いていこう。

※本記事には作品の内容を含みます

■セイラは英国でリィナと生活

 まずは『機動戦士ガンダム』のメインヒロインともいえる存在であり、シャアの妹でもあるセイラ・マス。

 ダイクン家の血を引く彼女は、ホワイトベースに乗り込み、一年戦争の終結まで生き残った。しかし、最終回ではその後の人生までは描かれておらず、『機動戦士Zガンダム』などで数シーン登場したものの、詳しい言及はなかった。

 セイラのその後の人生が描かれるのは、才谷ウメタロウ氏の漫画『機動戦士ガンダム ピュブリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ-』だ。同作は、第二次ネオ・ジオン抗争終結後の宇宙世紀0094年を舞台に、作家となったキッカ・コバヤシを主人公に、さまざまな人物の証言によってアムロの足跡を辿るものとなっている。

 その中で、セイラはアムロを語る人物の一人として登場している。

 セイラはニュータイプ研究所から救出された戦災孤児の支援活動をしており、その縁でアムロの伝記を書こうというキッカからのインタビューを承諾する。そしてアムロ、シャア、さらに彼らにとって重要な存在であるララァ・スンという3者の関係性を語る。

 セイラはインタビュー時、30代でイギリスの港町に住んでおり、その時点でもなおジュドー・アーシタの妹であるリィナ・アーシタとともに生活していた。リィナもニュータイプの可能性が高く、やはりセイラとニュータイプは何かしらの縁があるようにも感じてしまう。

 いずれにせよ、その後のセイラは政治や戦闘といったものとは距離を置き、穏やかな生活を送ったようだ。

■未亡人となったフラウは娘とともに生活

 漫画『機動戦士ガンダム ピューリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ-』では、フラウ・ボゥのその後の姿も描かれている。

 アムロの幼馴染にして、彼に想いを寄せる存在だったフラウ。アムロの性格をよく理解し、時に厳しい言葉で彼を叱咤した彼女もまた一年戦争を生き延びたキャラで、その後は『機動戦士Zガンダム』に登場する。その際には、ハヤト・コバヤシと結婚し、フラウ・コバヤシという名でホワイトベースで保護されていたカツ、レツ、キッカの3人を養子にしていた。

 漫画『機動戦士ガンダム ピューリッツァー』は前述した通り、彼女の義理の娘として成長したキッカが、アムロの人物像を追っていくというストーリーだ。

 同作では第二次ネオ・ジオン抗争でアムロが消えてしまい、追悼式に戦死者と認定されてアムロの名が刻まれるということがフラウに伝えられている。第1次ネオ・ジオン抗争でハヤトと死別し、未亡人となったフラウの家には他の義理の子どもたちもおり、さらにハヤトとフラウの実子も一緒に暮らしていた。 

 。いまでもアムロのことを「近所の男の子」と表現しており、フラウこそがアムロの「英雄」の一面と「普通の男の子」の一面を正確にとらえていた女性であったのかもしれない。

 今回紹介するセイラとミライ、フラウの三人の中では、最も穏やかに、幸せに暮らしているキャラクターかもしれない。

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