■最強魔導士に成長する少女・ニノ

 最後に紹介するのは、ゲームボーイアドバンスで発売された『ファイアーエムブレム 烈火の剣』(2003年)に登場するニノである。

 ニノが仲間になるのはかなり終盤となる26章であり、クラスは下級職の魔道士で、しかもレベルは5とかなり低い。

 ストーリーは30章+終章で構成されているので、さすがにこの終盤で下級職の魔道士から育成するのは難しい。同じ魔道士でも序盤に仲間に加わるエルクや、同じく魔法職の修道士であるルセアなどがかなり活躍しているはずなので、ニノを使わなかったプレイヤーは多かったはずだ。

 ただ、ニノは平均するとエルクやルセアより成長率が高い。最終盤から積極的に使い育成していけば、実は終章までにかなり成長させることができ、むしろ伸びしろがある分、魔法職のエース級を張ることもできるキャラなのだ。

 もっとも、終章まであまりに余裕がないため、ニノをエース級にまで育成するには、かなりのキャラ愛が必要になる。一度も使わずに2軍落ちさせるのはもったいない才能を秘めた、「ゼロから最強ユニットへ」というロマンが詰まった魔導士だ。

 以上、最初は弱いが、育てればエース級になれる逸材3人を紹介させてもらった。今回紹介した作品の中にも他に隠れた強キャラはいるし、今回紹介していない作品にもそういったキャラは多い。

 ジェイガンやマーカスといった、登場時点で老人で、明らかに成長の余地がないキャラならともかく、このシリーズはパラメーターの上昇率を上げるアイテムなども存在していることも多く、どんなキャラでも育てていけばそれなりに戦力になってくれる。誰もが使う強キャラばかりでなく、あまり目立たないキャラを使ってプレイする楽しみもあるのがこの作品の魅力ともいえるだろう。

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