最初は弱いが育てるとチート級の強さ…!? 歴代『ファイアーエムブレム』使わないのはもったいない「隠れた猛者キャラ」たちの画像
ファミコン用ソフト『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』(C)1990 Nintendo 写真/ふたまん+編集部

 1990年4月にファミリーコンピュータでシリーズ第1作『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』が発売され、今年で誕生から35周年を迎えた。2023年にはNintendo Switch用に最新作『ファイアーエムブレム エンゲージ』もリリースされ、今もなお人気を集めるシリーズだ。

 そんな本シリーズの大きな特徴といえば、ドラマティックな物語を演出する、一筋縄ではいかない「難しさ」だろう。

 シミュレーションRPGとして、キャラの育成が大きなカギとなる本作。限られた経験値をどのように各キャラクターに分配するかもプレイヤーのチョイスに委ねられる。もちろん、潜在能力の高いキャラを育てればゲーム進行が楽になるが、あまり成長しないキャラを戦わせてばかりいると、将来的に戦力面で苦しくなる。

 ただ中には、初期状態では非常に弱く、使いにくいキャラであっても、地道に育てていくととんでもない強さになるキャラも存在する。こんなキャラを発見するのも、『ファイアーエムブレム』の“通”な楽しみ方かもしれない。

 今回はシリーズ35周年を機に、歴代『ファイアーエムブレム』から、最初は弱くても育てると実はエース級にまで成長するキャラクターを振り返りたい。

※本記事には作品の内容を含みます

■オグマやナバールにも匹敵するラディ

 まずは、1994年にスーパーファミコンで発売された『ファイアーエムブレム 紋章の謎』に登場する傭兵・ラディである。

 ラディが登場するのは第1部の第7章だ。ラディは港町ワーレンを守るために雇われた若き傭兵で、同じく傭兵のシーザとともに、敵の大軍に囲まれている主人公・マルスたちの手助けをするため仲間に加わる。

 このゲームの傭兵は、力こそ低いが技や素早さが高く設定されており、ダメージが3倍になる必殺の一撃や、2回攻撃などを高確率で繰り出すことができる主力ユニットである。

 7章時点でマルス軍にはオグマとナバールという傭兵が加わっており、能力値も高いこの2人を最前線で使っていたという人がほとんどだろう。

 しかし、ここで仲間に加わるシーザはレベル3、ラディに至ってはレベル1だ。しかも2人ともオグマやナバールの初期ステータスよりも低い。素早さはそこそこ高いが、攻撃力が低すぎて、敵にダメージが通らない非力さなのだ。そのため、オグマやナバールに割って入ることはできず、すぐに2軍送りにされるのがオチだろう。

 だが、実はこのラディは大器晩成的なキャラクターで、オグマやナバールに匹敵する成長率を与えられているのだ。レベルアップの機会さえ与えることができればエース級になれるポテンシャルを秘めている。
 本作は、城内では騎馬兵は馬から降りて戦うという仕様で、城内では少し弱くなる。だが、傭兵やそのクラスチェンジ後の勇者は、城内でも城外でもステータスが変わらずかなりの戦力を発揮する。

 一緒に仲間になるシーザの成長率はいまいちだが、ラディはオグマやナバールとともに終盤まで主力を務めるだけの力を秘めている“育てないともったいない”キャラなのだ。

■チートキャラの可能性を秘めたリフィス

 続いて紹介する『ファイアーエムブレム トラキア776』(1999年)のリフィスは、シリーズ最高難度とも言える同作において、うまく育てることで攻略難易度を下げることができる見逃せないキャラクターだ。

 クラスはシーフで、宝箱や扉を開ける役割を果たす重要なキャラなので、当然使っているプレイヤーは多かったはず。ただ、彼は非力で守備力も低く、おせじにも戦闘向きとはいえない。あくまでも宝の回収要員であり、前線に出していなかったという人が多かったのではないだろうか。

 だが、このリフィスは育てるとまさに「向かうところ敵なし」といった実力を発揮する。その理由は『トラキア』から登場した、シーフ専用のコマンド「ぬすむ」にある。これは自分の体格のパラメーターより軽いアイテムを敵から盗むことができるスキルだ。

 ただ序盤はリフィスの体格は低く、重さがない「きずぐすり」などのアイテムや軽い武器しか盗むことができない。リフィス自身の体格の成長率もそれほど高いというわけではないため、のちに上級職のシーフファイターとして仲間に加わるパーンに出番を奪われがちである。

 だが、リフィスはレベルアップの機会が多いこともあり、うまくプレイすることでパーンを上回る体格にまで成長させることができる。8章で手に入るアイテム「ネールの書」は、持っているだけでレベルアップ時に体格がアップする確率を上昇させる効果をもつため、このネールの書をリフィスに持たせてレベルアップを繰り返し、早々にクラスチェンジしてしまえば、かなり早い段階で立派な体格のシーフファイターとして活躍できる。

 本作の「ぬすむ」のスキルは、相手の素早さが自分より低く、自分の体格より軽いアイテムであれば、100%盗める仕様。

 たとえば、終盤のボスキャラなどが持っている「マスターソード」は2回攻撃ができる強力な武器。相手よりも素早ければ最大4回攻撃までできるという剣だ。

 このマスターソードの重さは15なので、体格が16以上あれば反撃を受けることなく盗むことができ、強力な武器を手に入れることができるばかりか、敵の攻撃すら無効化できてしまう。

 成長率は運の要素もあるので、体格が高くなるかどうかは運次第ではあるが、うまくいけばかなり攻略を楽にしてくれる、まさにチートなキャラになれる逸材である。

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