■天下一武道会以外でのピッコロとクリリンの勝数は同じ

 これまでの戦績を見てきて意外だと思えたのが、ピッコロとクリリンの勝ちの数だ。ふたりとも悟空とともに戦う回数が多かったので、さまざまな戦闘を経験している。

 どちらかといえば、ピッコロの方がクリリンよりも強いので勝っている数が多いと思うはずだ。しかし、天下一武道会を除くとふたりの勝利数はなんと同じである。

 クリリンは栽培マンとフリーザの偵察兵に勝利していて、ピッコロは栽培マンとバビディに勝利と、ともに2勝だ。とはいえ、どちらも小物にしか勝利していないともいえる。

 その理由は、悟空が登場するまでのつなぎのような役割を果たすことが多いからだろう。ベジータやフリーザとの戦いではそれがよくあらわれているし、セルとの戦いではふたりとも参戦すら厳しかった。

 天下一武道会だけで見ると、出場回数の多いクリリンの勝数が上回ってしまうのは必然だ。ピッコロがクリリン、シェンとの戦いで2勝しているのに対して、クリリンは、バクテリアン、チャオズ、プンター相手に3勝している。

■敗戦の数はクリリンが一番多い!

 最後に見ていきたいのが、どのキャラが一番敗戦をしているのかというところだ。負けのイメージが強いのはチャオズやヤムチャかもしれないが、戦いの数だけで見るとふたりはそれほど戦闘数をこなしていない。

 そのため、数多く戦闘をこなしているクリリンの敗戦数がダントツで多い。クリリンがこれまで戦った数は単純に計算しても18戦はしている。

 その中で勝利したのは5勝で、11敗2引き分けという結果だ。さらに驚かされるのが、11敗もしているのに死んだのがたったの2回だけということだ。

 戦闘経験数が多いのに簡単に死なないのがクリリンの特徴で、他のキャラとは違ってかなりのしぶとさがある。防御のうまさや技の種類の多さ、危機回避能力などがその理由だろう。クリリンがいなければナメック星で悟飯やブルマが生き残るのも難しかったはずだ。

 そこから考えても、単純に敗戦の数が多い=弱いということにはならない。強敵を目の前にして無謀に突っ込むか、逃げて態勢を立て直すか……そのどちらかにタイプが分かれるとも思う。クリリンは後者の方で、そこから何度も活路を見出しているからスゴい。

 

 Z戦士を戦績で比較してみると、必ずしも強いから勝率が高いというわけではない。勝ったり負けたりするからこそ、そのキャラの特徴が出てきて面白い。

 もし悟空が負けることなく全勝してしまったら、それこそ読者は飽きてしまうことだろう。勝利はもちろん、敗北もバトル漫画には欠かせない描写なのだ。

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