■ジムがリック・ドムを撃破! 流れるような動きに脱帽
ここまでは「いかにしてアムロを追い詰めたか」という観点で振り返ってきたが、最後に紹介するのは「無名vs無名」による名シーンだ。この場面は劇場版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』にて描かれた。
連邦軍がララァのエルメスに翻弄されたあと、いよいよガンダムとエルメスが対峙する場面。それと同じころ、ジオン軍はリック・ドムの編隊を出し、連邦軍はジムとボールの部隊で迎撃する。
リック・ドムの攻撃でボールが撃破されるなか、1機のジムがリック・ドムのヒートサーベルを華麗に回避。そのまま左手に持っていたシールドを捨てながら、素早く背負っていたビームサーベルを取り出し、リック・ドムの胴を一刀両断する。
時間にして、わずか3秒程度のシーンだが、とっさにシールドを捨てながらサーベルを振るう冷静な判断はアムロをほうふつとさせた。
名もなきパイロットの戦闘シーンがストーリーの本筋に影響を及ぼすことはめったにないが、よく見ると熟練の域に達していそうな見事な技を見せた者もいる。こういうレアな戦闘描写は、有名パイロット同士の戦闘とはまた別の“味”が感じられるはずだ。