体は透明、過去には恋人も…『銀河鉄道999』“車掌”の見せた「意外な一面」の画像
『さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅』4Kリマスター版(C)松本零士・東映アニメーション (C)東映アニメーション

 松本零士さんの『銀河鉄道999』における主役といえば、機械の体を手にするために宇宙旅行を続ける少年・星野鉄郎と、彼を優しくサポートする謎の美女・メーテルである。
しかし999号の旅においては、もう一人欠かせない人物がいる。それが乗務員の制服に身を包んだ「車掌」だ。

 車掌は登場当初、銀河鉄道999号の規則に従順な乗務員であった。車内で降りたいと暴れた女性を無理やり宇宙に放り出すなど、ちょっと怖い印象もあった。しかし物語が進むにつれ鉄郎やメーテルを守るなど、なくてはならない存在に変わっていくのだ。

 あまりにも謎多き人物である車掌……その意外すぎる一面や、知られざる過去のエピソードを見ていこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■規則に厳しいようで意外と甘い!? メーテルと鉄郎をかばう男気も

 冒頭でも紹介した通り、車掌は物語の登場当初は999号の従順な乗務員だった。

 「大盗賊アンタレス」では、アンタレスが子どもたちを助けるために999号をハイジャックをしたことが分かっても、車掌はアンタレスの頭を撃とうとするなど、規則のためなら冷徹な行動もいとわない人物であった。

 しかし物語が進むにつれ、鉄郎やメーテルと仲良くなっていく車掌。口数も増え、とても人間らしくなっていく。

 それが顕著に分かるのが「心やさしき花の都」でのエピソードだ。

 猛毒の花粉があたりに舞い散る「花の都」という駅についた999号。鉄郎とメーテルは爆発騒ぎに巻き込まれ、危険を察知した999号は2人を置いて出発してしまう。しかし最終的に999号はバックして戻ってきた。その理由は、車掌が自身の服がボロボロになるほど機関車と大喧嘩し、999号の進路を変えたためだ。

 同じようなエピソードは「ヤーヤボールの小さな世界」にも登場する。偽の停止信号によって同名の駅に止まってしまった999号は、2人を置いて出発してしまう。

 すると車掌は、機関車のいうことを聞かずに横に寝そべり“やる気をなくした”と言い、職務放棄。怒った機関車は車掌に説教するが、それに対し車掌は「やかましいーっ」と一喝。最終的には機関車と和解し、バックして2人の救出に向かっている。

 このやり取りに対し車掌は「男として恥ずかしくないことをしている」と言っており、車掌がいかに鉄郎やメーテルのことを大切に思っているか、そして男気のある人物であることがうかがえる。

 また、銀河鉄道の長い旅路の途中、車掌の行動なしでは鉄郎たちが命を落としてしまうケースもたびたびあった。鉄郎たちが旅を続けるうえで、車掌はなくてはならない人物なのだ。

■乗務員服の下はなんと…! 漫画の鉄郎は最後まで知らなかった透明のボディ

 車掌といえば、制服の下の驚くべき姿も有名だろう。乗務員服を脱いだ姿はなんと透明であり、裸になってしまえば車掌の存在は分からなくなるのだ。

 それが有名になったエピソードが「ざんげの国」である。この回では車掌がシャワーを浴びるシーンがあるのだが、清潔管理局の女性がそこで車掌の体を見てしまい、驚きのあまり失神している。

 また「大暗黒星雲アフリカ」では、車掌が謎の生命体・ゴーストホッパーに襲われ裸にされてしまう。車掌はその姿をまわりに見られたくないため、メーテルの衣装を借りてやり過ごしている。ちなみにその間メーテルは雪が降り積もる寒空の元、ビキニ姿でいた。

 原作漫画では、鉄郎が車掌の“裸”に興味を抱く場面はあるものの、その正体が明かされることはなかった。本作において、メーテルの一糸まとわぬ姿にドキドキした読者も多いだろうが、それとはまた別の意味で車掌の“中身”も非常に気になるところだ。

 アニメ版では、車掌の特徴的な帽子の下から時おり光る目がのぞく演出があり、ふとした拍子に帽子が取れてしまうシーンもある。その際に見える透き通ったボディに“彼の正体はいったい…?”と、想像をかき立てられた視聴者も多かっただろう。

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