■大阪万博のアンドロイドは『銀河鉄道999』に登場する機械化人!?
今回の大阪万博には人間のように動く「アンドロイド」も展示されている。シグネチャーパビリオンのアンドロイドは、まるで人間そのもののような動きをし、スムーズな受け答えもできるという。
しかしこのアンドロイド、何か既視感がある。それは『銀河鉄道999』に登場する機械化人とどこか似ているのだ。
たとえば「ウラトレスのネジの山」に登場するラセンという少女。普段は皮を着て人間そっくりの外見をしているが、内部がネジでできている機械化人だ。皮を脱いだその内側は、万博のアンドロイドにとてもよく似たフォルムをしている。
また「アンドロメダの雪女」でスノーロックが押し売りしていた機械の身体も、そっくりだった。
アンドロイドは50年後の地球で活躍している可能性があるという。『銀河鉄道999』に登場する機械化人のように、知性や喜怒哀楽を身につけていたりするのだろうか。そう考えると技術の進歩にワクワクする反面、ちょっと怖い気もしてしまう。
それにしても、何十年も前にこのフォルムを描いていた松本さんには、やはり驚かされてしまう。
■『四次元エレベーター』に近づく、万博の「未来の都市」パビリオン
大阪万博の「未来の都市」パピリオンは、バーチャル上でさまざまな未来の都市を体験できるエリアだ。地球が誕生した頃の恐竜を眺めたり、バーチャルで未来都市の仮想空間を体験できたりする。
『銀河鉄道999』にも、自分が想像した世界を体感できる施設が登場する回がある。それが「四次元エレベーター」のエピソードだ。「底なし都市」のホテルで、鉄郎は禁止されていた四次元エレベーターに乗ってしまう。それは異空間を移動するエレベーターであり、乗った人の願望世界が現れる不思議なものであった。
万博の未来の都市パビリオンもそうした世界観が演出されており、バーチャルの世界では息をのむような美しい空間や未来都市が出現する。願望を映し出す技術はまだないものの、異空間へ移動できるような技術は着実に進んでいるのかもしれない。
『銀河鉄道999』が誕生したのは昭和52年。オイルショックの影響が残る時期に、筆者の松本さんはすでに未来を予見したかのようなアイデアを作中に登場させている。そのアイデアに似たものは今開催中の大阪万博でも登場し、現実に息づいているのだ。
もしかしたら未来では、宇宙を走る銀河鉄道も開発されるかもしれない。仮にそれが実現するのなら、それに乗るまで生きていたいと願う筆者であった。