『ピカチュウげんきでちゅう』に『ポッ拳』も「ちょっと攻めすぎじゃ…」意外な神作ぞろい!?『ポケモン』異色すぎて驚いた「スピンオフ作品」の画像
『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT DX』(任天堂)(C)1986 NINTENDO©2018 Pokémon. ©1995-2018 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.©2018 BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

  1996年に第一作がリリースされて以来、世界中のファンに愛されるゲーム『ポケットモンスター』。『赤・緑』から始まったゲーム本編のシリーズは、最新作の『スカーレット・バイオレット』まで、続編やリメイク版を除き、9タイトルが発売されている。

 だが、その一方で、本編とは違うゲームシステムを取り入れた外伝的作品も多数リリースされている。たとえば、1999年にNINTENDO64にて発売された『ポケモンスナップ』(任天堂)は、プレイヤーがポケモンカメラマンとなり、野生のポケモンの姿を撮影していくというゲーム。ポケモンを上手に写真におさめることで高得点を狙い、アルバムに保存していくという新感覚のシステムは、ゲーム史に残る「傑作」として評価が高い。

 この作品以外にも、『ポケモン』の外伝作品でありながら、ファンから高い評価を受けている作品はまだまだ存在している。そこで、思わぬゲーム性にアッと驚かされた『ポケモン』関連ゲームを見ていこう。

 

■リアルな反応を見せるピカチュウにぞっこん!『ピカチュウげんきでちゅう』

 多くのキャラクターが登場する『ポケモン』シリーズのなかでも代表的なのが、やはりピカチュウだろう。

 その愛くるしい姿で大人気のピカチュウ。ポケモンファンであれば一度は「ポケモントレーナーのようにピカチュウと意思疎通をしてみたい」と、思ったことがあるのではないだろうか。

 そんなファンの夢を実現したのが、1998年にNINTENDO 64用ソフトとして発売された『ピカチュウげんきでちゅう』である。

 本作の最大の特徴は、なんとマイク型デバイスを通じて画面のなかにいるピカチュウと実際にコミュニケーションが取れる点だ。名前を呼ぶと振り返ってくれたり、褒めると照れたり、逆に悪口を言えば不機嫌になったりと、ピカチュウが多種多様なリアクションをとってくれる。

 作中ではほかのポケモンと出会ったり、音声で指示を送りミニゲームを楽しんだりと、『ポケモン』の世界観にどっぷりと浸かることができるのも醍醐味だ。

 かくいう筆者も幼少期にこのゲームを体験したのだが、普段はゲームをしない妹が夢中でピカチュウに語りかけていたのを見て、このゲームの没入感の高さと『ポケモン』の魅力を再認識したものだ。画面越しではあるが、ピカチュウと意思疎通ができるのはファンにとっては嬉しい体験だっただろう。

 ちなみにこのゲーム、なんと世界で初めて音声入力を取り入れた意欲作でもあったりする。のちに多数の音声認識システムを用いたゲームソフトが発売されることとなるのだが、その元祖が『ポケモン』の外伝作品だったという事実にも驚かされてしまう。

■互いの強みを見事に融合させたまさかのコラボ作品『ポケモン+ノブナガの野望』

 『ポケモン』の外伝的作品は、他社の有名シリーズ作品とコラボをしたものも少なくない。

 なかでもその意外な組み合わせが話題を呼んだのが、2012年にニンテンドーDS用ソフトとして発売された『ポケモン+ノブナガの野望』だろう。

 『信長の野望』といえば、コーエーテクモゲームスの大人気歴史シミュレーションゲームだが、戦国時代を舞台とした本作と『ポケモン』がコラボすることになるとは、誰しもが予想だにしなかったのではないだろうか。

 物語の舞台となるのは、17の国が存在するランセ地方。主人公は一人の“ブショー”として国を獲得し伝説を蘇らせるため、イクサへと繰り出していく。

 ブショーはポケモンを1体、パートナーにすることができる。イクサではそれぞれのポケモンをフィールド上に配置し、まるで部隊を操るように指揮。同じように配置された敵方のポケモンをバトルさせることで、勝利を狙うのだ。

 システム的には完全にシミュレーションゲームで、戦いごとに的確な戦術をとる必要があり、さらにポケモンならではのタイプ相性も絡むことでより奥深いバトルを味わうことができる。

 本家同様にポケモンを成長させたり、新たなポケモンを探したりすることも可能だが、本作ならではの大きな特徴として、ノブナガやヒデヨシなどお馴染みの戦国武将ごとに“ベストパートナー”となるポケモンが設定されている点が面白い。いずれも武将の気質や人柄を反映した絶妙な組み合わせで、彼らを仲間にすることができれば、強力な相棒となるのだ。

 加えて、自軍のポケモンと交流したり、施設を強化して資源を潤わせたりと、しっかりとした国作りも勝利を掴み取るための鍵となる。

 お馴染みの『ポケモン』の世界観をベースにしつつも、『信長の野望』のウリである戦略性を存分に堪能することができる、実にハイクオリティなコラボ作品といえるだろう。

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