
尾田栄一郎氏による人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』の単行本には、「SBS」というおまけコーナーが存在する。同コーナーは、作者の尾田先生が読者から寄せられた質問や疑問に回答する場となっている。
作中にはさまざまな謎が散りばめられているが、その真相がSBSのなかでサラッと明かされた例も少なくない。
そこで今回はSBSで初めて明かされた『ワンピース』の驚くべき設定をいくつか紹介しよう。
※本記事は作品の内容を含みます。
■ゾロにまつわる重大事実が判明!?
単行本105巻のSBS では、麦わらの一味の剣士「ロロノア・ゾロ」の家系図が公開された。
さかのぼること52年前、ワノ国を出た船員たちが村を襲っていた山賊を蹴散らして、その村に定住。シモツキ村ができあがったという。
シモツキ村はゾロの生まれ故郷であり、家系図によるとゾロの祖父にあたる「ロロノア・ピンゾロ」と「霜月フリコ」の間に生まれたのが、ゾロの父「ロロノア・アラシ」。そしてアラシと盗賊の娘「テラ」の間に生まれたのが、ゾロと書かれていた。
さらにゾロと深いかかわりがある幼なじみ「くいな」の家系図が明かされ、ゾロが「スナッチ」というかけ声を教わった「霜月コウ三郎」の息子が、ゾロに剣術を指南した道場師範「霜月コウシロウ」であり、その娘のくいなも「霜月姓」であることが分かった。
そのなかでも注目すべきは、ゾロの祖母である「霜月フリコ」が、ワノ国の大名である「霜月牛マル」の姉ということ。彼らはワノ国の伝説の侍「霜月リューマ」の子孫であり、ゾロもあの剣豪の血を引いていることが判明した。
かねてより「ゾロとリューマ」、「ゾロと牛マル」は似ているといわれていたが、SBSにてそれが事実だと証明されたのは驚きである。
■ルフィと一緒に戦った少女の「意外な出自」
同じく単行本105巻SBSでは、もうひとつ重大な情報が明かされている。それはワノ国編で、ルフィらとともに活躍した少女「お玉」に関する設定だ。
ルフィのことを「アニキ」と慕うお玉の両親は、カイドウおよび黒炭オロチの圧政によって命を落としており、墓標が立てられていた。
その墓標にはうっすら「黒炭」の文字が見えることに気づいた読者から、お玉と黒炭オロチの関係を問いただす投稿がSBSに寄せられた。
すると尾田先生は「はっきり言っておきましょう。お玉は『黒炭玉』が本名です」ときっぱり回答。すなわちお玉自身が、光月おでんを裏切って悪政を敷いたオロチと同じ一族であると判明したのである。
ワノ国編のラストは、日和の「燃えてなんぼの黒炭に候」 のセリフで締めくくられたこともあり、ワノ国における黒炭一族への恨み、憎しみは相当なものだ。
とはいえ、お玉自身はそんな悪者とはほど遠い人物であり、日和のセリフにあった「黒炭」はオロチひとりを指していると尾田先生も明かしている。
さらに尾田先生は最後に「お玉が黒炭家の血筋だと知ったら周りはどう反応するでしょう。色々想像してみてください」と読者に対し、問題提起していたのも印象的だった。