新作『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』絶賛公開中!『ドラえもん』ペットを愛するあまり…のび太の「親バカエピソード」の画像
DVD『映画ドラえもん のび太の恐竜 2006』©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2006

 2025年3月7日より『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』が絶賛公開中だ。本作は映画『ドラえもん』シリーズ45周年記念作品であり、絵の中に入り込んだのび太たちが世界滅亡の危機に立ち向かうという壮大なストーリーである。

 そんな『ドラえもん』映画の栄えある1作目は、1980年に公開された『映画ドラえもん のび太の恐竜』である。のび太と恐竜の子ども・ピー助との交流が描かれている本作には、のび太がピー助を溺愛する様子や、“離れたくない!”と泣くシーンが登場する。

 そのほかにも作中、のび太はたびたびペットを飼ってきているのだが、どんなペットに対しても愛情深く“親バカ”とも取れる振る舞いをしてきた。今回はのび太がペットに見せた、ちょっと切なくもほっこりしてしまう愛情エピソードを紹介したい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■台風だって大事なペット「台風のフー子」

 てんとう虫コミックス6巻に掲載されている「台風のフー子」は、のび太が台風の子どもを育てる話だ。

 小鳥を飼っているしずかちゃんの影響を受け、ドラえもんに“何か卵から育てたい”とお願いをしたのび太。ドラえもんからもらったたまごを温めた結果、誕生したのが台風の子ども・フー子だった。それ以降、フー子はのび太と一緒に遊んだり同じ布団で寝たりして懐いていく。

 しかしフー子は徐々に風力が強くなり、家の中をメチャクチャにするなどトラブルを起こしてしまう。“あんなの捨ててきなさい”と両親から怒られたのび太は一度フー子を捨てようとするも、泣きながら付いてくるフー子。

 のび太は「これからおとなしくさせるから、おしいれにとじこめておくから」と、泣きながら両親に飼うことを懇願するのであった。

 この話の最後は、のび太とフー子の悲しい別れが描かれている。日本に向かってきていた大型台風を止めようとしたフー子は、その大型台風とともに消滅してしまうのだ。台風の被害を恐れていた両親はほっとする様子だったが、涙を浮かべ、夜空を見上げるのび太の姿がなんとも切ない。

 ペットを飼うことは楽しいことばかりではない、そんな教訓も含まれたストーリーであった。

■帰ってきた忠犬ならぬ石ころに感動!?「かわいい石ころの話」

 コミックス37巻に掲載されている「かわいい石ころの話」は、なんと「石ころ」がペットになる話だ。

 ある日「名犬ラッキー」というテレビ番組を見て感動するのび太。犬を飼いたいと願うも、ママに反対されてしまう。そこでドラえもんが出したひみつ道具が「ペットクリーム」だった。これは石に塗って磨くと犬のように懐いてくれるという道具で、のび太は庭に落ちていた黒い小さな石をクロと名付けて飼い始める。

 最初は「石ころなんて……」と、石をペットにすることに乗り気ではなかったのび太だが、甘えたり、コロコロとあとをついてくるようになったクロに対し、のび太も徐々にメロメロに。

 クロを空き地で遊ばせている際には“そっと隠れてみよう”と言ってわざと置き去りにし、その後、クロが寂しがる様子を見て喜ぶなど、ちょっとした焦らし行為までしていたりもする。それほどのび太のクロへの親バカっぷりは大きく、石のペットにどハマりしている様子だった。

 ちなみにその後、スネ夫も巨大な庭石にサムソンという名前を付けて飼い始める。しかし暴れたり、鳴き声がうるさいといったトラブルが続き、スネ夫はサムソンを青森に捨ててしまう。

 しかし一週間後、サムソンははるばる青森からスネ夫の元に帰ってくるのだ。喜びのあまりスネ夫に飛びつくサムソンに押しつぶされる……というオチで終わった本エピソード。ペットと深い愛情で結ばれたゆえの、なんとも切ないオチである。

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