■爆風を利用した離れ業!「車の運転」

 劇場版第5作『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』では、コナンが「車の運転」を披露。しかし、ただの運転ではない。爆発のタイミングを読んでビル間を飛び越えるという、常識を超えた脱出ドライビングである。

 物語終盤、ビル爆発のカウントダウンが迫るなか、脱出手段を失った少年探偵団。コナンは屋上に止まっていた赤いマスタングに全員を乗せると、爆発の爆風を逆手に取り、隣のビルの屋上プールへとジャンプするという驚きの離れ業を決行する。しかも途中、進路をふさぐオブジェをサッカーボールで破壊しており、“ドライビング&キック”のコンボ技まで飛び出した。

 無事に脱出したあと、円谷光彦が「ところでコナン君 どこで運転の仕方を?」と尋ねると、コナンは思わず「ハワイで親父に……」と言いかけ、慌てて口を押さえる。

 ちなみに現実のハワイ州では、一番早くて16歳から条件を満たせば運転免許の取得が可能だという。新一がコナンの姿になったのは17歳なので、もしも免許を取っていたらほぼ初心者の状態だと思うが……それでも爆風ジャンプをこなすとは恐るべき対応力である。

■セスナの知識でジャンボ機も操縦可能?「飛行機の操縦」

 第8作『名探偵コナン 銀翼の奇術師』では、ついに空でのスキルも登場。乗っていたジャンボジェット機のパイロットが毒によって倒れ、なんとコナンが操縦席に座ることとなるのだ。

 ハワイでセスナの操縦を親父から教わったコナンは副操縦士として座り、怪盗キッドとコンビを組んで事態の収拾に挑む。燃料のバランス調整、航路の選定、適切な高度の指示……どれも冷静沈着な判断で、まるで本物のパイロットのような手際を見せる。

 その後、キッドが負傷したため操縦を交代することになり、操縦桿を握るのはまさかの蘭。動揺する彼女を落ち着かせるため、コナンは機内後方に戻り、新一の声で無線越しに語りかけ、結果的に見事な不時着を成功させるのだった。

 ちなみに、ハワイではセスナなど小型機を使った体験操縦が可能。とはいえ、ジャンボ機の操縦とは完全に別物な気がするが……。いずれにせよ、終始鮮やかなスキルを見せたコナンはやはりとんでもない主人公だといえよう。

 

 実はこの「ハワイで親父に教わった」シリーズ、近年の劇場版ではほとんど姿を見せていない。明確な理由は明かされていないが、さすがに未成年が扱うには無理のあるスキルばかりだった、ということなのかもしれない。

 それでも、ファンの間では今なお語り継がれる名シーンの数々。親父に教わったハワイ仕込みのスキルをもう一度見たいといった声は根強い。

 果たして、2025年4月18日公開の劇場版最新作『名探偵コナン 隻眼の残像』では、「ハワイで親父に教わった」超絶スキルの登場はあるのだろうか。密かに期待したいところだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3