■鬼気迫る表情に圧倒された『無限の住人』木村拓哉
木村拓哉さんが主演を務めた『無限の住人』は、2017年の第70回カンヌ国際映画祭でも披露された話題作である。この映画の見どころといえばやはり、木村さん演じる万次と彼のもとに送り込まれる刺客たちとのバトルシーンだ。
『ロングバケーション』や『ビューティフルライフ』など、ラブストーリーのイメージも強い木村さんだが、実はアクションを得意とする俳優であることはあまり知られていない。彼は幼少期から剣道を習っており、武道の心得がある。テレビ朝日のスペシャルドラマ『宮本武蔵』でも殺陣シーンを披露し、その腕前を発揮していた。
『無限の住人』では、さらにその殺陣シーンはすさまじい。冒頭の「100人斬り」のシーンは最大の見どころのひとつだ。万次は傷だらけになりながらも、大勢の無法者たちを切り伏せていく。片手を切り落とされてもなお刀を振り続ける万次の壮絶な戦いぶりを、木村さんはスピード感あふれる剣術とともに見事に表現していた。
このシーンは木村さんにとっても大きな試練だった。実は彼は撮影中に膝の靭帯を損傷しており、痛みに耐えながら演技をする状態だったという。しかし、その痛みを演技に活かすことで、より鬼気迫る表情を見せており、そんな姿には監督の三池崇史さんも驚きを語っていた。
■ダークな雰囲気がカッコイイ『るろうに剣心』吉川晃司
アーティストとしてカリスマ的な人気を誇る吉川晃司さんも、『るろうに剣心』で驚異的な殺陣シーンを披露している。吉川さんが演じたのは、「黒笠」こと鵜堂刃衛である。彼は殺人者として剣心の前に現れ、薫をさらって人斬り抜刀斎としての本性を引きずり出そうとした。
アーティストとしてのイメージが強い吉川さんだが、近年ではドラマや映画への出演を増やしている。しかし、これほどのアクションシーンを見せるとは驚きだ。
吉川さんはその長身と体格の良さを生かし、剣心を追いつめていくハイスピードで大迫力の殺陣シーンを見せている。繰り出される刀は本当に殺気がこもっているかのようで、佐藤さんとの息の合ったアクションシーンは劇場版第1作の見せ場のひとつとなった。
アーティスト・吉川晃司とは全く違う、人斬りとしてダークで恐ろしい雰囲気をまとった姿。佐藤さんも「ダークヒーローみたいな感じで、かっこいいと思っていました」と太鼓判を押す。この2人の超スピードバトルを見ると、吉川さんの新たな一面を知ることができるはずだ。
邦画の実写化作品のアクションシーンは、いまや世界にも通用するものとなった。木村さん、福山さんといった国民的な大スターも激しい殺陣を演じて、その演技力と身体能力を存分に発揮している。
普段のイメージと違った鬼気迫るアクションシーンを見ると、よりいっそう彼らに魅了されることだろう。