■初めての仲間は伊達じゃない…ルフィから向けられる絶対的信頼
ルフィは仲間たちに多大な信頼を寄せているが、その中でもゾロに対する信頼は非常に大きい。本編を読み返してみると、ルフィがゾロをいかに頼りにしているかが読み取れる。ロジャーが最初に出会ったレイリーがのちの副船長になるように、1人目の仲間は特別な存在なのかもしれない。
たとえば、「空島編」でゾロが神・エネルに敗北したと知った時、ルフィは激しく動揺していた。同じ場にいたロビンも倒され、ナミもエネルにさらわれた状況に「お前がいて何で…こんな事になってんだ…………!!!」と、意識のないゾロに呼びかける。おそらく“自分がいなくてもゾロがいればなんとかなる”と思っていたからこその言葉だろう。
ほかにも「ウォーターセブン編」で海列車の車両が迫ってきた時にルフィが「きれ じゃま」とだけ命令し、「ああ」とだけ答えたゾロが本当に車両を真っ二つにしたシーンも印象的だ。
短い会話だが、お互いに対する気楽かつ強固な絆が感じられる。ルフィとゾロの会話シーンを読み返すと彼らにだけ通ずる友情が見え隠れして面白いので、読者の方もぜひご確認あれ。
『ONE PIECE』本編の描写から、ゾロが副船長と呼ばれる理由を探ってみた。戦闘力はピカイチで、いざという時は威厳を見せ、船長のルフィとは唯一無二の信頼を築いている。
普段は戦闘と昼寝ばかりのゾロだが、ファンから「副船長」と認められるのにふさわしい男といえるだろう。
覇王色の覇気にも覚醒した点をふまえれば、むしろゾロほどの男が組織のナンバー2に収まっているのはもったいないとすら感じる。だが、そんなゾロがルフィに惚れて一味入りしたからこそ面白いのだ。