レイリーとの奇妙な共通点も…サンジでもジンベエでもない! 『ONE PIECE』ロロノア・ゾロがファンから“副船長”と呼ばれる理由の画像
DVD『ONE PIECE Log Collection“WANOKUNI”』(エイベックス・ピクチャーズ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 海洋冒険ロマンの超大作『ONE PIECE』(尾田栄一郎氏)の“麦わらの一味”の船長は——もちろん、主人公のモンキー・D・ルフィだ。では、副船長は誰だろうか? 

 “冥王”シルバーズ・レイリーや、“赤髪海賊団”のベン・ベックマンなど、大海賊には魅力的な副船長が付き物だ。我らが“麦わらの一味”は作中で副船長が誰か明言されていないが、ファンの間では“海賊狩り”のロロノア・ゾロが事実上の副船長だとする声が多い。

 日頃から「副船長になってもいい」と威張るウソップや年長者のジンベエではなく、なぜゾロなのか? ここでは、本編の描写からゾロが副船長と呼ばれる理由を考えてみよう。

 

※本記事には作品の内容を含みます 

 

■覇王色の覇気にも覚醒! ルフィと同等以上の戦闘力

 ゾロの長所といえば、なんといってもここぞの場面で頼れる戦闘力だろう。最新の懸賞金11億1100万ベリーは一味ではルフィの30億ベリーに次ぐ堂々の第2位であり、巨大な敵と争う長編では敵組織のナンバー2を仕留める大仕事をやってのけるパターンが多い。

 「偉大なる航路(グランドライン)」に入った直後の「ウイスキーピーク編」では、勘違いから始まった喧嘩でルフィと互角以上に渡り合ったこともあり、戦闘面でゾロの実力を疑う者は敵味方ともにいないだろう。

 決定的なのは「ワノ国編」で開花させた覇王色の“覇気”だ。無自覚ながら覇王色に覚醒したゾロは、覇気を刀に宿す発展形の技術も使いこなし、“四皇”・カイドウの右腕たるキングを打ち倒した。

 王の素質の証ともされる“覇王色”をゾロが持っていたまさかの展開に、当時のファンは大盛り上がり。「シャボンディ諸島編」にて、ウルージに「人に従う様な男には見えない」とも言われたゾロだが、本当にその通りだったわけだ。

 これは余談だが、覇王色は“海賊王”ゴールド・ロジャーを支えた副船長、シルバーズ・レイリーも有している。頂点を目指せる覇王色を持ちながらも、惚れた男の夢を叶えるために2番手を選んだレイリーとゾロ。さらには両者ともに“悪魔の実”を食べていないというのもまた、奇妙な共通点といえるかもしれない。

■時には船長も諫める! 一味のピンチで見せる冷静さ

 三刀流によるド派手な戦闘シーンが印象的なゾロだが、実は戦闘以外でも一味の役に立つことが多い。とくに、麦わらの一味の足元が揺らぐようなピンチにおいて、ゾロは誰よりも冷静に状況を見極めてくれる。

 象徴的なのが「ウォーターセブン編」でのウソップ離脱騒動だ。過酷な航海で限界を迎えたゴーイング・メリー号を見捨てられないウソップがルフィと喧嘩し、一度は本当に仲間を抜けてしまう。その後のニコ・ロビン救出劇を通してウソップは一味と和解し、ルフィもウソップが戻ってくると喜んだ。

 だが、ゾロだけはウソップの復帰を歓迎しなかった。それどころか、ウソップがしっかり謝って“ケジメ”をつけない限り、復帰は決して認めないと主張する。

「いざって時にコイツ(ルフィ)を立てられねェ様な奴は 一味にゃいねェ方がいい…!!」

「おれ達がやってんのは ガキの海賊ごっこじゃねェんだぞ!!!」

 和気あいあいに見える麦わらの一味だが、彼らは懸賞金もかけられている海賊であり、立派な組織だ。ならばリーダーたるルフィと対立し、秩序を乱したウソップは不穏分子としかいいようがない。

 ルフィもゾロの言い分を全面的に受け入れ、ウソップが謝るまで一味復帰は白紙にする判断を下した。

 東の海からの付き合いであるウソップに対して冷酷にも見えるこの判断だが、この時、一味の今後を誰より考えていたのは、間違いなくゾロだろう。いざという時はルフィすら諫める姿には、紛れもない副船長の威厳が満ちている。

  1. 1
  2. 2
  3. 3