■作中最弱級の機体で奇跡の大健闘!?

 続いてはOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に描かれた、地球連邦軍所属のシロー・アマダの戦いぶりを紹介したい。

 第1話「二人だけの戦争」にて配属先の地球へと向かう輸送船の中で、シローは、ジムとザクによる小規模な戦闘を目撃する。友軍からの救難信号もあり、シローは輸送船に積まれていた作業用モビルポッドを改造した「ボールK型」で救援に向かう。

 連邦のジムを蹂躙していたのはただのザクではなく、「宇宙用高機動試作型ザク」。ボールに2連装キャノン「フィフティーンキャリバー」が装着されているとはいえ、まともに太刀打ちできる相手ではなかった。

 宙域に漂うデブリに姿を隠しながら、シローのボールはザクの背後から接近。やがてザクに気づかれて発砲されるが、デブリを投げて射線を切ると銃撃に怯むことなく一気に急接近する。

 そして射出した作業用のワイヤーランチャーをザクの肩部に引っかけると、ザクを支点にしながら激しく回転してワイヤーを巻きつけていく。

 ゼロ距離までザクと密着したシローのボールは、ヒートホークによる斬撃を細いアームでギリギリ防ぎながら、2連装キャノンを発射。双方のパイロットが離脱したのち、両機体は大爆発を起こした。

 結果的には痛み分けではあるが、ボールで試作型ザクと相打ちまで持ち込めたのはシローの技量と度胸によるものだ。そのうえジムのパイロットも救っており、トータルで考えたら大きな戦果といえるだろう。

■上映時間120分の中、たった1分で見せた驚異の戦果

 最後に、劇場版『機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』より、主人公の刹那・F・セイエイが挙げた戦果を紹介したい。

 建設中のコロニーを視察中のマリナ・イスマイールら中東使節団のもとに、コロニー公社の過激派が乗るMS・GN-XIII(ジンクスIII)が接近する。そこへ突如介入したのが、刹那が搭乗する量産型の可変MS「ユニオン・フラッグ」である。

 極秘裏に活動を継続していたソレスタルビーイング仕様に改修された本機には、GNドライヴが搭載されておらず、駆動限界のあるGNコンデンサーで動力を賄っていた。

 一方、ジンクスIIIのほうは擬似太陽炉を搭載。もともと高性能だったこともあり、いまだ主力として活躍する機体である。

 その3機のジンクスIIIに対して、まず刹那はスモークで攪乱。視界不良のなかでもジンクスIIIの位置を的確に捉えてGNソードで1機撃墜すると、距離をとりながら別のジンクスを引きつける。

 そこで背後からの射撃を華麗に避けつつ、急制動をかけて変形。カウンターの要領でソニックブレイドを展開して、もう1機撃墜するのである。使節団に接近する最後のジンクスも背後から猛追してあっさりと斬り裂き、瞬くうちに戦闘を終わらせてみせた。

 ガンダムに乗っていない刹那が、戦闘終了までに要した時間はわずか1分足らず。ユニオン・フラッグで3機のジンクスIIIをあっさり片づけるという圧巻の戦闘シーンだった。

 

 主人公たちが乗る唯一無二のガンダムは、作品を象徴するMSばかりである。もちろん、そのほとんどは高性能であり強いのは当然の機体ともいえる。だからこそ、やや性能面で劣る量産機に乗って圧倒的な強さを示した戦闘シーンに、胸を熱くさせられるのだ。格下の機体で格上の強力な機体を打倒するシチュエーションに、ロマンを感じる人は多いのではないだろうか。

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