
4月8日より『機動戦士ガンダム』シリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)が放送開始となる。女子高生として平穏に暮らしていた本作の主人公アマテ・ユズリハが、ふとしたことをきっかけにモビルスーツ(MS)「ジークアクス」に搭乗し、戦いに身を投じていくというストーリーだ。
『ガンダム』シリーズの多くの主人公は『ジークアクス』と同様に、作品を象徴する唯一無二のMSに乗って戦場で躍動する。しかし時には、名もなき一般兵と同様に、量産型のMSに乗らざるをえない状況もあった。
そして突出した性能を持たない量産機に乗りながら、他の追随を許さない驚異的な戦果を挙げることも……。そのような『ガンダム』シリーズの主人公たちが量産機で挙げた、驚きの戦果について振り返ってみたい。
※本記事は各作品の内容を含みます。
■性能差をものともしない神がかった操縦技術
まずは初代『機動戦士ガンダム』の主人公であるアムロ・レイが、シリーズ2作目の『機動戦士Zガンダム』に登場した際に見せた、驚異の戦いぶりから紹介しよう。
第16話「白い闇を抜けて」では、量産機であるリック・ディアスで出撃したアムロ。コクピットに同乗したカツ・コバヤシをシャトルへ送り届ける道中、ブラン・ブルターク率いるMS部隊と会敵し、一年戦争以来7年ぶりとなるMS戦を余儀なくされる。
手始めに、前方から向かってくるハイザックに向けて射撃し、1機を撃墜。喜ぶカツに対して「まぐれだ!」と謙遜するアムロだが、7年もブランクのあるパイロットにたやすく撃ち落とされた相手はたまったものではない。
さらにアムロは、ベルトーチカ・イルマが乗る航空機を狙ったハイザックを、バルカン斉射で難なく撃退する。
カツをシャトルに送り届けたあと、そのシャトルを護衛するためにアムロは戦線に戻る。カミーユのガンダムMkーIIがブランのアッシマーと戦うなか、アムロはリック・ディアスで巧みに援護。カミーユは機動力に優れるアッシマーに苦戦するものの、アムロは的確な助言を与える。死角に入った敵機の位置が分からないカミーユに、攻撃するポイントまで細かく指示。そのカミーユの攻撃は惜しくも外れたが、アムロが行った追撃はアッシマーにダメージを与えた。
さらにアムロは、アウドムラに接近するハイザックに対してバックパックのみを斬り落とし、最小限の被害で敵機を行動不能にするという神業を披露した。
その後もアムロは、カミーユの窮地を救いながら「後ろにも目をつけるんだ!」「カミーユ撃て!」など次々と檄を飛ばした。そしてガンダムMk-IIにアッシマーの凶刃が迫ったときは、リック・ディアスのビーム・サーベルでその腕ごと斬り落とし、最終的にサーベルでコクピットを貫いてアッシマーを撃破している。
可変モビルアーマー・アッシマーに乗るブラン・ブルタークは、決して並みのパイロットではない。カミーユとクワトロ(シャア・アズナブル)の二人がかりでも手を焼いた強敵だったが、アムロの敵ではなかった。
かつてシャアは「MSの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを教えてやる」という名言を残したが、量産機による7年ぶりの戦闘でも圧倒的な技量の差をみせつけたアムロにこそふさわしいセリフかもしれない。