■非情な仕事人から、組織や情勢に振り回される苦労人へ 

 頂上戦争終結後、センゴクに代わる元帥を決めるためにサカズキとクザンが激突。10日間の決闘の末にサカズキが勝利をおさめ、ついに海軍本部元帥・サカズキが誕生する。

 そして元帥として「世界徴兵」を行い、黄猿に加えて藤虎、緑牛を新たに大将に据えたほか、海軍本部を新世界に移転するなど、海軍の力をより強固なものに変えていく。

 しかし、今のところサカズキ元帥自らが前線に出て戦う機会はなく、自身が直接関与できない部分の諸問題に振り回されることになる。

 「ドレスローザ編」においては、元天竜人であるドンキホーテ・ドフラミンゴの計略のために世界秩序が揺るがされ、その旨を世界政府の最高権力「五老星」に抗議するが、「お前の面子など取るに足らん」と一蹴された。

 直後に藤虎が、ドレスローザ国民に世界政府の不備を認めて土下座をしたという報告を受けてサカズキは激怒。両者による激しい口論の末、藤虎に任務を完了するまで全海軍基地への出禁を命じる一件もあった。

 「ワノ国編」では、手柄を欲して独断で行動をする緑牛に手を焼かされる場面もあり、元帥になってからのサカズキは上下の板挟みになるような面が見られる。組織をコントロールする難しさに苦心する様子が目立ち、どちらかというと苦労人キャラとなってしまった。

 そのこともあってか、彼が掲げてきた「徹底的な正義」を思うように断行できていないようにも思える。

 過去の行動から、サカズキに対する嫌悪感が拭えない読者も多いと思うが、組織の内外の問題に振り回されている彼の動向をみて、なんとなく胸が痛くなる大人の読者もいるのではないだろうか。

 今年4月5日より、アニメ『ONE PIECE』の「エッグヘッド編」の放送が再開されるが、そのなかでサカズキの、より人間的な一面が描写されることになる。アニメ勢のファンもそのエピソードを観て、サカズキという人物の本質を探ってみてほしい。

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