『機動戦士ガンダム』ホワイトベース隊もう1人のニュータイプパイロット「セイラ・マス」がみせた「恐るべき操縦センス」の画像
「エクセレントモデル RAHDXG.A.NEO 機動戦士ガンダム セイラ・マス」(メガハウス) (C)創通・サンライズ

 『機動戦士ガンダム』のヒロインのひとり「セイラ・マス」。サイド7で医療ボランティアをしていた彼女は、避難民としてホワイトベースに乗り込み、医療補助や通信オペレーターなどを担当する。

 そして物語の途中からはGファイターなどのパイロットも務める。終盤になるとジオン屈指のニュータイプであるララァ・スンの精神波に反応したり、実兄であるシャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)の存在を感じ取ったりと、ニュータイプとしての素養を開花させていった。

 当初、戦闘経験は皆無のセイラだったが、パイロットとして急成長。目覚ましい戦果を挙げていく彼女は、ホワイトベース隊でもアムロに次ぐエースと呼ぶにふさわしい存在感を示した。

 今回はそんなセイラ・マスの操縦技術が光った、驚異の戦闘シーンを振り返っていきたい。

※本記事は作品の内容を含みます。

■ジオンが誇るエースパイロットのひとりを撃破

 アムロ不在の緊急時や、時には無断でガンダムに搭乗することもあったセイラ。その操縦経験を買われ、第24話「迫撃!トリプル・ドム」では、新たに配備されたGファイターのパイロットに抜擢される。

 初の実戦は、出撃前にマニュアルを確認するほどのぶっつけ本番。このとき戦う相手は、ジオンが誇る腕利きのエースパイロットで編成された部隊「黒い三連星」だ。アムロがなんとかドムを1機撃破して退けたが、マチルダ・アジャンという尊い犠牲を出した。

 責任を感じるセイラは、「私が不慣れなばかりに……」と己の無力さに涙を流したが、戦闘時にはガンダムの分離もきっちり成功させており、アムロのサポート役としては十分な働きをしたといえるだろう。

 劇場版の2作目『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』では、Gファイターがコア・ブースターに変更され、黒い三連星との戦闘内容も大きく違っている。セイラはドムに攻撃が当たらず苦戦。だがガイアのドムと組み合うガンダムの背後を狙おうとしたオルテガの一瞬の隙を見逃さず、メガ粒子砲でオルテガ機を射貫いた。

 正式パイロットとしての初陣でジオンが誇る精鋭の黒い三連星の一角を撃破した快挙は、称賛されるべき偉業だろう。

■バケモノに成長? キャメル艦隊戦で魅せた驚異の2枚抜き

 第32話「強行突破作戦」ではジオンのドレン大尉率いるキャメル艦隊を相手に、セイラは愛機のGファイターで出撃する。

 ジオン側の動きに合わせてスレッガー・ロウとカイ・シデンの機体が陣形を崩すと、セイラは「敵と同じように分かれては勝ち目がなくなるわ」と冷静に状況を分析。ハヤトに呼びかけて隊列を組み直す。このときはアムロの出撃が遅れていたとはいえ、現場指揮官ばりに的確な指示を出したセイラにしびれた視聴者も多いことだろう。

 そしてカイやスレッガー機がリック・ドム編隊の連携に翻弄されるなか、セイラは後方から敵の動きを慎重に見極める。そしてGファイターの射線上にドムが並んだ瞬間を見逃さずにメガ粒子砲で狙い撃ち、1発の攻撃で2機のドムを同時に墜とすという神業を披露した。

 さらにセイラは、もう1機のリック・ドムもきっちり追撃して撃破。撃墜されたリック・ドムのパイロットからすれば、悪夢のような時間だったに違いない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3