「僕」という役への理解は?

――今の段階で「僕」をどのように捉えていますか? 注目してほしいところも教えてください。

 「僕」は他人への苦手意識があって、周りとの繋がりを避けて生きてきたし、それを自分でも自覚した上で「それでいい」と思っている人。そんな「僕」が桜良と出会うことでどう変わるのか、というのがひとつの見どころであり、聞きどころだと思っています。

 だからこそ、「僕」の本質の部分を深く考えて作っていかなければいけないなと考えていますね。

――稽古してみて、またいろいろと変わってくることもあるかもしれないですね。

 そうでしょうね。舞台と違って、朗読劇には長期間の稽古があるわけではないので、まずはそれまでに自分の中でしっかりとイメージを作って準備し、それを現場で皆とすり合わせながら修正していくことが大事かなと思います。でも、それって普段声優がやっていることと同じなんですよ。だからこそ、その強みを活かせたらと。

 あとは、その場で起こる化学反応を自分たちも楽しめたらいいですよね。もちろん、お客さまに満足していただけるラインを超えている上で、僕たちキャストの気持ちが繊細に動いて、リアルタイムで良いものに仕上げていけたら、それがベストかなと思っています。

――今のお話を聞いていて、改めて舞台は「生もの」なんだなと思いました。

 そうです。そういう意味で言うと「生」というのが、やはり一番の魅力かと。なので、僕たち演者側も毎回新鮮な気持ちで向き合っています。「今回の公演では、相手がどう来るか?」というちょっとした緊張感がありつつ、役として瞬時に応えていく。当然ながら、お客さんにとっても、その瞬間でしか見られない景色、聴けない音しかないので、ぜひそういった臨場感も楽しんでいただけたら幸いですね。

――今回の公演は配信もあるそうですね。

 生の空間で、その日、その場限りの音を聞く。空気感を共有するという意味でも「生もの」であることを大事にしたいですし、僕自身もやっていて楽しいところです。実際にお越しいただくことが一番なのですが、いろいろなご事情や都合で会場に来られない方もたくさんいらっしゃると思うので、ぜひ配信も活用していただけたらありがたいですね。

 上演中は、衣装や美術、照明など、それぞれのプロフェッショナルの皆さんと力を合わせて、総合芸術として「僕」というその場限りのビジュアルに整えていきますが、僕の振る舞いも込みで「その役」だと錯覚してもらいたいんです。その上で、朗読としての形に完成させていくのが醍醐味かなと思っています。

 

取材・文/根津香菜子

梶裕貴(かじ・ゆうき)
1985年9月3日生まれ。2004年声優デビュー。近年の主な出演作に、「進撃の巨人」エレン・イェーガー役、「僕のヒーローアカデミア」轟焦凍役、「ハイキュー!!」孤爪研磨役、「悪魔くん」二代目悪魔くん/埋れ木一郎役、「七つの大罪」メリオダス役など。2013・14年、史上初の2年連続で第七回・第八回声優アワード「主演男優賞」受賞。

【公演日時】
4月5日(土) <昼の部>14:00 <夜の部>18:00
4月6日(日) <昼の部>13:30 <夜の部>17:30
※各開演時間の45分前より開場予定

原作 住野よる「君の膵臓をたべたい」(双葉文庫)
脚本・演出 保科由里子
出演 岡本信彦 梶裕貴 鬼頭明里 伊藤美来 戸松遥 中島ヨシキ

会場 日本青年館ホール(東京都新宿区霞ヶ丘町4-1)

チケット[全席指定・税込] 料金:S席9,800円 A席8,000円
取扱プレイガイド
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/kimisui/
イープラス:https://eplus.jp/kimisui/
ローソンチケット:https://l-tike.com/kimisui/
制作協力 MAパブリッシング
主催 朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025製作委員会
(AOI Pro./ADKエモーションズ/サンライズプロモーション東京/双葉社)

朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025公式サイト:https://kimisui-reading.jp/2025-2/
朗読劇「君の膵臓をたべたい」2025 Xアカウント:
@kimisui_reading(https://x.com/kimisui_reading

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