
尾田栄一郎氏による人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』に登場する重要なアイテムの「悪魔の実」。これまでにいくつもの種類の実が登場してきたが、ひと際貴重さと特異性で注目を集めているのが「動物(ゾオン)系幻獣種」の実だ。
主人公・ルフィが口にした「ゴムゴムの実」と思われていたものは、実は本来の名前は「ヒトヒトの実 幻獣種モデル“ニカ”」であることが判明。神話に伝わる通り、空想を実現したかのごとく自由自在に暴れまわる。
ほかにも作中にいくつかの幻獣種の能力者が登場しているが、どの人物も不思議かつ強力な力を秘めている。そこでルフィの能力にもひけを取らない、超常的な力を秘めた動物系幻獣種の悪魔の実を紹介しよう。
※本記事には作品の核心部分の内容を含みます。
■覚醒したルフィと激闘を繰り広げた「ウオウオの実 モデル“青龍”」
新世界を支配する四皇の一角にして、“世界最強の生物”と呼ばれるカイドウが有したのが「ウオウオの実 幻獣種モデル“青龍”」だ。その名前の通り、巨大な青色の東洋龍に変身する能力を持ち、青龍の特性を活かしたさまざまな特殊能力を発揮する。
龍といえば空を飛ぶイメージがあるが、この実の能力者は「焔雲」と呼ばれる浮遊する特殊な雲を生成。それをつかむことで疑似的な飛行が可能となり、島を丸ごと「焔雲」で浮遊させるという芸当も披露した。
そして戦闘能力もすさまじい。「熱息(ボロブレス)」という口から吐く火炎攻撃は、もはや破壊光線か何かのレベルにまで達しており、遠方の城を一撃で破壊する高威力をみせた。
さらに巨体を活かして巨大な竜巻を発生させたり、口から人間の手足をたやすく切断するかまいたち「壊風」を放ったりと、大規模な破壊をもたらす恐ろしい能力をいくつも使用できる。
最強形態である人獣型になると、全身は龍の鱗に包まれて尻尾が生え、ただでさえ破格の戦闘能力を持つカイドウの強さはさらに跳ねあがる。
雷のごとき速さでの移動、覚醒したルフィの強力な攻撃を幾度も受けきる耐久力を兼ね備え、本物の雷を見切って避ける場面も。動物系の能力者として、これ以上ない強さを見せつけた。
しかし本当に恐るべきは、カイドウ自身が生まれもったタフネスぶりにあり、彼の身体能力と長所をそのまま増強する「ウオウオの実 モデル“青龍”」との相性は抜群に良かった。
■いかなる傷も再生する「トリトリの実モデル“不死鳥”」
元四皇のエドワード・ニューゲートが率い、世界最強の海賊団との呼び声も高かった白ひげ海賊団。その1番隊隊長を務めていた“不死鳥”マルコが有している能力が、「トリトリの実モデル“不死鳥(フェニックス)”」だ。
全身に青い炎をまとった不死鳥の姿に変身する能力で、もちろん飛行することが可能。さらにいかなる攻撃を受けようとも即座に再生する「再生の炎」という驚異の回復能力を持つ。
その能力を初披露した頂上戦争では、海軍大将・黄猿の攻撃が直撃しようとも、瞬時に再生して即座に反撃。同じく海軍大将であるサカズキのマグマによる攻撃も、炎を盾のように展開して防ぎ、“不死鳥”の異名に恥じぬ大立ち回りを演じた。
再生の炎には、一般的な火炎のような火傷などを負わせる効果はないが、周囲にいる傷ついた者に炎を当てると、本人ほどではないが再生力が向上。ケガの早期回復やウイルスの進行遅延といった効果をもたらす。
また、いまだに理屈は不明だが、四皇ビッグ・マムが産み出したホーミーズのプロメテウスに「再生の炎」を浴びせると、なぜか致命的なダメージを与えるという特性もある。
どちらかというと守備寄りの能力のため、バトル時は能力者当人の戦闘技術や身体能力がかなり重要になる。マルコは、不死鳥の飛行能力や足のカギ爪を活かした高速の蹴りなどを巧みに使い、四皇相手にタイマンできるほどの実力を見せつけた。
純粋な意味での飛行能力を持つ数少ない能力者でもあり、反則じみた再生能力を持っていることから、とても海賊団の幹部とは思えない実力者なのは間違いない。