■結ばれる可能性大!?「伏黒×来栖」
恋愛模様が確かに描かれたカップリングとして、伏黒恵と来栖華の2名も挙げずにはいられない。第1話から登場した伏黒に対して、来栖は死滅回遊編での初登場とかなり後からだった。
過去の術師である“天使”が来栖の肉体を依り代として現代によみがえったものの、天使本人のポリシーによって自我を消さず共存することとなった2人。来栖は伏黒を「運命の人」と形容し、しょっぱなからかなり惚れ込んでいるのが読者にも分かる素振りを見せていた。
それもそのはず、来栖は幼い頃、異形の呪霊を親として育てられており、劣悪な環境で生きていたところを伏黒の式神である玉犬に救われ、保護されることになったのだ。
そして現在。共存を選んだ天使とともに伏黒に再会するという、まさしく運命的な出会いを果たしたわけである。
物語終盤にて、紆余曲折のすえに虎杖から伏黒へと宿儺が乗り移り、来栖は彼との交戦中に腕を失う大けがを負ったものの生存する。最終的には虎杖の活躍もあって、伏黒も無事生きながらえた。
最終巻収録の270話ではその後の2人の姿も描かれ、伏黒が来栖に対し、乗っ取られていたとはいえ右腕を損失させたことについて「責任は取る これからは俺が来栖の右腕になるよ」と宣言。感極まった来栖は「(結婚)式はいつにしますか?」と答え、伏黒がしどろもどろになって幕を閉じた。
ここまでお膳立てされて、しかも勘違いさせるようなことまで言ったのなら、やはり伏黒が「責任」を取るしかないのではないだろうか。
呪術師と呪霊、呪詛師らとのバトルが主軸となる『呪術廻戦』だが、数少ない恋愛描写に心惹かれる読者も多く、単行本最終巻でもそれぞれの関係性にフォーカスした場面が見られた。
まだエピローグを見ていない読者は、この機会に一度その目で確認してみてはいかがだろうか?