■手に入れたのはパンツではなくパンチ?『ライブ・ア・ライブ』妙子のパンチ
1994年にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)より発売されたSFC用ソフト『ライブ・ア・ライブ』は、7人の主人公の物語をオムニバス形式で描いた、実に特徴的なRPG作品だ。
主人公ごとに得意とする武器も異なる本作だが、なかでも実に奇抜なネーミングだったのが、近未来編にて登場する「妙子のパンチ」だろう。
いまいち概要が掴みづらいネーミングだが、その謎は近未来編の主人公・アキラが仕掛けた“悪だくみ”のなかで明らかになる。
アキラは孤児施設「チビッコハウス」に預けられていた際、孤児の一人を使い、施設で働く職員・妙子のパンツを盗ませようと画策。失敗を繰り返しながらもなんとかパンツを獲得しようと奮起するアキラたちだが、彼らの悪だくみはすぐに妙子にバレてしまうことに。
妙子本人から強烈な一撃を見舞われるアキラ。さすがの彼も反省したかのように見えたのだが、ここで予想外の事態が。なぜかこのイベントを経て「妙子のパンチ」というグローブ装備を獲得することができるのだ。要は、“パンツ”ではなく“パンチ”を手に入れた……という、ダジャレ全開のイベントだったのである。
名前から入手法に至るまで、なんともふざけた武器なのだが、意外にもその性能はかなり優秀。近未来編の最終局面まで使いこなせる、高い攻撃力を秘めた武器なのだ。
ちなみに手に入れた瞬間「こ、これは…妙子のパンチじゃねーか!」と叫ぶアキラの姿は、なかなかにシュールである。顔に叩き込まれた一撃から感覚を得たのだろうか……考えれば考えるほどに、謎の深まる武器といえるだろう。
RPGにおいてはお決まりともいえる存在の武器たちだが、今回紹介したもののように、性能や見た目が読み切れない奇抜なネーミングのものも多い。
一見、強そうには見えない武器でも、条件によって隠された能力が解放されたりと、ギミックが用意されているのも面白い点だろう。
入手するのはなかなか困難だが、その手間を補って余りある高威力に酔いしれたプレイヤーも多いのではないだろうか。