■実はヒロイン最強クラスの才能の持ち主?

 最後に紹介したいのは、映画『機動戦士ガンダムF91』のヒロインであるセシリー・フェアチャイルドだ。一番の見せ場だったラフレシア戦では囚われのヒロインのような展開になったこともあり、主人公のシーブック・アノーに助けられた印象が強かった。

 しかし、よくよく考えるとセシリーは宇宙世紀作品のヒロインのなかでも屈指の才能の持ち主に思える。

 もともとセシリーはカロッゾ・ロナの娘ながら、母親に連れられて幼少の頃にコロニー「フロンティアIV」に移住。普通のパン屋の娘として育てられる。

 その後、クロスボーン・バンガードが「フロンティアIV」を襲撃したのを機にセシリーはロナ家に戻り、ベラ・ロナとして生きる道を選ぶ。そして彼女を補佐するザビーネ・シャルのもとで、モビルスーツの操縦訓練を受けた。

 操縦が難しい試作機「ビギナ・ギナ」を与えられると、彼女は「扱いやすい」と発言。初陣では、いきなり編隊を組んで飛行したことにザビーネは衝撃を受け、「あるがままを見ただけで、そのものの本質を洞察できるのがニュータイプというもの。信じたくなった」とケタ外れの才能に驚愕していた。

 ほかにも「F91」の高機動にいきなり反応したり、機動兵器「バグ」をいなしたりと、抜群のセンスの良さを見せつけている。実戦経験の少なさを考慮すると、当初からセシリーがみせた操縦技術はバケモノ級であり、シーブックにすら匹敵する逸材といえそうだ。


 主人公の派手な活躍には誰もが目を奪われるが、その陰に隠れた意外な才能の持ち主はたくさんいる。ガンダム作品の地味で目立たない優秀なパイロットといえば、あなたはどういった人物を思い浮かべるだろうか。

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