■「対話」のための機体、その真の戦闘能力は?

 劇場版『機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』に登場した主人公「刹那・F・セイエイ」が乗る「ダブルオークアンタ」は、地球外生命体との対話のために開発された機体である。

 劇中では地球圏に飛来した「ELS(地球外変異性金属体)」と人類との全面戦争は、ダブルオークアンタと刹那が果たしたELSとの対話によって、お互いが敵ではないことを理解し、終結することになる。

 そのため劇中で描かれたダブルオークアンタの戦闘描写は一瞬しかなく、真の戦闘力は不明のままだった。平和のために作られたガンダムにとって無粋なことかもしれないが、その戦闘力について『週刊ガンダム・モビルスーツ・バイブル 66号』に記載がある。

 ダブルオークアンタは「ツインドライヴ」と呼ばれる動力システムを採用しており、安定稼働に問題があるとされた。その補助のための追加武装が想定されており、それを取りつけた状態は「ダブルオークアンタ フルセイバー」という。

 シミュレーション結果によれば、この状態ならば1週間で「地球連邦軍の1万倍に達するELSの群れ」をせん滅可能。パイロットの疲労などは考慮されていないシミュレーション結果とはいえ、ELSとの対話が失敗した際の保険はしっかりかけられていたことになる。

 これを聞いて、ダブルオークアンタの本気の戦闘描写を見てみたいと思ったのは筆者だけではないはずだ。


 今回は、何らかの理由で劇中で真の実力を出し切ることがなかった機体を振り返ってみた。皆さんにとっての「真の実力を見てみたい機体」といえば、どのような機体を思い浮かべるだろうか。

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