■もはやガンダム作品における「リミッター解除」の代名詞?
『機動戦士ガンダム00』に登場する「GNドライヴ」という動力源に組み込まれている特別なシステムが「トランザム(TRANS-AM)」だ。
機体内部に蓄えられた高濃度・高圧縮のGN粒子を解き放つことで機体全体が赤く発光。一定時間のあいだ、通常の機体性能の3倍の出力を発揮することが可能となる。
ファーストガンダムにおけるシャア・アズナブルの異名「赤い彗星」を体現したかのような性能向上であり、発動中は残像を生むほどの高速機動が行える。
ファーストシーズンの機体が「トランザム」を用いた場合、途中解除できなかったり、GN粒子が再チャージされるまで機体性能が大幅に低下したりといったデメリットがあり、諸刃の剣感が否めなかった。
だがセカンドシーズン以降に登場した第4世代の機体は「トランザム」の使用を前提とした設計がなされ、任意で途中解除が可能になり、限界時間経過後の性能低下も軽減されるなど、さまざまな進化がみられた。
さらにトランザムに関連する能力として、イノベイターとして覚醒した主人公、刹那・F・セイエイがダブルオーライザーのツインドライヴシステムにて発動した「トランザムバースト」というシステムもある。
膨大なGN粒子を広範囲に拡散させ、戦場にいた人々との意識の同調、機体の量子化による瞬間移動、毒性のある疑似GNによって身体を浸食されていた者を回復させるといった、単なるシステムとは思えない効果を発揮した。
加えて、ダブルオークアンタにおいては「トランザムバースト」の上位互換ともいえる「クアンタムバースト」の発動により、さらに広範囲へのGN粒子散布と脳量子波交信領域を形成するなど、もはや人知を超えた力をみせている。
機体性能の限界を突破する展開は、メカが登場するアニメ作品のお約束とはいえ、観ているとやはり胸が熱くなる。皆さんが一番好きだった「リミッター解除」とは、どの機体のものだろうか。