「NT-D」に「トランザム」も禁断の力? 『ガンダム』作品で胸熱だった「リミッター解除」という驚異のメカニズムの画像
「機動戦士ガンダムUC Blu-ray BOX」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 個性的、かつ高性能なバラエティに富んだ機体が登場する『ガンダム』シリーズ。2025年1月に公開された劇場版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の大ヒットもあって、過去のガンダム作品に興味を抱いている人も多いことだろう。

 当然主人公が搭乗する機体にもっとも注目が集まるわけだが、特殊な機能を秘めたワンオフ機であることも多い。なかには本来の性能を超越する力を発揮するために、各種「リミッター」を解除するようなギミックが存在する機体もあった。

 「リミッター解除」による限界突破は、やはりメカをテーマにした作品のロマンでもある。限界を超える超性能を発揮した特別なシステムを振り返ってみよう。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■敵の行動を先読みする「対ニュータイプ用」のモード

 『機動戦士ガンダムUC』の主人公バナージ・リンクスが搭乗するユニコーンガンダム。同機の最大の特徴は、「NTーD」と呼ばれる機体管制システムを搭載している点にある。

 ニュータイプ、またはそれに近い強化人間の存在を感知すると、機体のリミッターが全解除されて「デストロイモード」へと移行。頭部の一角獣のようなツノが開き、ガンダムらしいV字アンテナが現れる。さらに全身の装甲が展開され、露出したサイコフレームが赤い光を放ち、どこか神々しい雰囲気を醸し出す。

 そして変身時は、それまでの手動操作から「インテンション・オートマチック・システム」というパイロットの思考をそのまま操縦に反映させる操作へと切り替わる。こうなったときには機体の各種性能が測定不能レベルまで向上するだけでなく、敵パイロットの感応波を察知しての先読み行動まで可能となるのだ。

 ニュータイプを抹殺すべく圧倒的な機動性能を誇り、敵機体に搭載されたサイコミュ兵装を自らの支配下に置く「サイコミュ・ジャック」といった反則的な機能まで解禁される。

 ただし、ニュータイプを倒すために作られたシステムだけに、時にはパイロットの意思に関係なく勝手に攻撃を行ったり、サイコミュの逆流によって搭乗者がNTーDに呑まれるといった悪影響を及ぼすこともありうる。

 サイコミュによる精神的負荷、機体性能向上による肉体的な負荷も相当高いため、連続使用は5分程度が限界とされていた。限界を超えた性能を発揮するには、大きなリスクが生じるという、まさに諸刃の剣のようなシステムだった。

■明鏡止水の境地に達した証!

 『機動武闘伝Gガンダム』に登場するガンダムタイプのモビルファイターに起こる特異な現象が、「ハイパーモード」だ。パイロットの精神が、一切の邪念がなく澄みきって落ち着いた「明鏡止水」の境地に至ったときに発動するモードで、機体が金色に光輝く状態を指す。

 原理としては、ガンダムを構成するガンダリウム合金等の素材が、操るパイロットの精神状態に応じて色を変えるという特性があるため、と説明されていた。

 主人公のドモン・カッシュがシャイニングガンダムに乗っていたときは、怒りをトリガーにして色が変わる「スーパーモード」を経て、やがて怒りを超越した「明鏡止水の境地」に至ったことで、総合的な戦闘能力が向上する「ハイパーモード」を発動させた。

 その後、ドモンがゴッドガンダムに乗り換えてからは、真なる明鏡止水の境地に達し、「明鏡止水ハイパーモード」とも呼ばれる、さらなる強化状態へと至る。

 発動するとシャイニングガンダムのハイパーモードと同様にボディが金色に染まり、ノーマルモードの性能ですらシャイニングのスーパーモードに匹敵するゴッドガンダムの性能を、最大限発揮可能な状態となる。

 特段大きな反動や副作用は描写されていないものの、そこに至るまでの精神的成長が必要不可欠であり、発揮するためのハードルが異様に高いリミッター解除状態ともいえる。

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