■個性豊かなメンバーからも目が離せない

 さてその後、外道衆の紹介、これから殿=松坂さんのもとに集うであろう“家臣”という位置づけのブルー(生真面目で忠誠心がありそうな歌舞伎役者/相葉裕樹さん)、ピンク(クールな保育士/高梨臨さん)、グリーン(現実的な高校生/鈴木勝吾さん)、イエロー(なにをやっている人なのかよくわからない人/森田涼花さん)の紹介を経て、再度の敵襲来により4人が松坂さんのもとに招集されます。

 このとき、白馬に乗り4人の前に現れる松坂さんのかっこよさもさることながら、おそらくボケ役を担うシンケンブルーのコミカルな存在感も見逃せません。軽薄なヘアスタイルをしていますが、相葉さん、いい俳優さんだなあ。絶対髪型変えたほうがいい。

 その後、松坂さんと4人のナイスな戦いぶりにより敵は撤退。その間、必殺技やロボへの変身なども見せてくれ、ひととおりの設定をクリアにしてくれます。

 常にひとりで戦うことにこだわり、ツンツンしている松坂さんですが、これから4人との絆が芽生えデレな表情も見せてくれるのかな? と期待感を煽ったところで第1話が終了します。あれ!? もう終わり!? 体感10分くらいなんですが……と思ってしまったということは、気づくとのめり込んで観ていたのでしょう。続きがすぐに観たくなりました。

 脚本の強さを感じ入り、クレジットを確認すると小林靖子さん。多くの特撮ドラマやアニメでその手腕を発揮する売れっ子で、ドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK)の脚本家さんでもあるんですね!

 考えてみれば、俳優デビュー作で主演ってすごい。しかも、1話ごとに成長していくポンコツ主人公タイプならまだしも、孤高の殿。まったく違和感なく現実と非現実を行き来する脚本を軽やかに乗りこなす殿っぷり。当時の松坂さんのポテンシャルの高さに、これまで以上に尊敬の念が芽生えたのでした。そしてリアルタイムでこの作品を観なくてよかった、と安堵しました。うっかり松坂さんにガチ恋して、苦しくなるばかりでしたからね。

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