
2001年に第1作が発売され、今でも多くのファンに愛され続けているゲーム『どうぶつの森』。シリーズ最新作である『あつまれ どうぶつの森』が発売されたのは2020年、さらに最近では今年発売予定のNintendo Switch 2の話題が盛り上がっていることもあって、そろそろ次なる新作が発売されるのではと期待する声も見られる。
『どうぶつの森』は、20年近く続く長寿シリーズであるからこそ、時代を経てさまざまな変化を経てきた。なかでも「リセットさん」というキャラの存在は、時代の流れを感じさせる最たる例といえるのではないだろうか。
今では存在すら知らない若者も多いというリセットさん。今回はそんなリセットさんについて、思い出話も交えつつ振り返っていきたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■お説教、反省文、強制ブラックアウト!? めくるめくリセットさんとの思い出
知っている人も多いとは思うが、リセットさんは、リセットボタンを押したりセーブをせずにゲームを終えたりすると次回プレイ時に現れる、モグラのキャラクターである。
ヘルメットにツルハシ、オーバーオール(昔はハラマキだった)という出で立ちで、太い眉も相まっていかにも「頑固おやじ」といった印象だ。
リセットさんはリセットするプレイヤーを𠮟りつけるために登場しては、毎回長いお説教をして去っていく。「くらぁーーっ!!」と怒鳴りながら地面から飛び出してくる姿を真っ先に思い浮かべる人も多いだろう。
筆者の場合、最初にリセットさんに遭遇したのは本当に偶然の出来事だった。
当時、ゲームを買ってもらえなかった筆者は、従兄弟の家に泊まるときだけニンテンドーゲームキューブで『どうぶつの森e+』をやらせてもらっていた。あるとき夢中になりすぎたあまり、帰る時間になってもコントローラーを握って動かなかった筆者に母が激怒……。そのため正規の終わり方ができず、次回遊びに行った時にリセットさんと衝撃の初対面を果たす羽目になったのだ。
『e+』の場合、初めの頃のリセットさんは怒鳴るわけではなく、“リセットすると説教しに来るから、そこんとこよろしく”というような話をくどくどしてくる。初代ではいきなり怒鳴りつけてきたというから、まだ優しいほうなのかもしれない。
さて、「なんだこのモグラ……」と思った筆者が従兄弟に報告してみると、「何回か繰り返すといろいろ見れるよ」とのこと。そう言われたら試してみるしかない。というわけで、そこから先は完全に故意である。
リセットするたび、太字の大文字で怒鳴り散らしてきたり、頭から蒸気を出してプンプンしてみたり、見事な怒りっぷりを見せてくれるリセットさん。そのうち「ワシの ゆーとおりに くちにだして ゆーてもらおか!」と、反省文のようなものまで入力させられ始めたのが妙にリアルだった。
挙句の果てには、「そんなに したいんやったら、ワシが リセットしたるわ。」「ほな、サイナラ!」と強制ブラックアウト……。直後、「ウソだよーん!」と戻してくれはしたが、これにはさすがにビビらされた。
最終的に怒りすぎたリセットさんが「ム、ムネが くるしい… けつあつが…」と苦しみ始め、あまり興奮しないようかかりつけ医に言われていると明かしてきたので、「ご、ごめんなさい」と、本気で反省した覚えがある。
といっても、続く『おいでよ どうぶつの森』(この時はお小遣いとお年玉を一生懸命貯めて買った)でも、どうしても気になってリセットさんを召喚してしまったのだが……。