「破天荒さがたまらん!」御上先生どころじゃない!?漫画実写化作品「型破り教師」たちの“スカッと痛快度”の画像
『GTO』DVD-BOX(ポニーキャニオン) ©「GTO」製作委員会

 現在話題沸騰中の、松坂桃李さんが主演を務める日曜劇場『御上先生』。容赦ない言動で生徒を導く御上先生や豪華な生徒役キャスト、予想できない展開など見どころが盛りだくさんで、初回視聴率は12.2パーセントを記録した。

 個性的で破天荒な姿を見せる教師というのは、漫画やアニメ、そしてそれらを原作とする実写化作品にもよく登場する。そこで今回は実写化作品で描かれた先生たちのハチャメチャエピソードを振り返っていこう。

※本記事には各作品の内容を含みます

■壁をぶっ壊す!『GTO』の鬼塚英吉

 藤沢とおるさんによる同名の漫画を原作としたテレビドラマ『GTO』。反町隆史さん演じる暴走族上がりの教師・鬼塚英吉が、常識外のやり方で生徒たちを教育していく物語だ。

 本作は1998年に連続テレビドラマが放送され、1999年にスペシャルドラマと劇場版、2024年にもスペシャルドラマが放送されるなど、いまだに高い人気を獲得している伝説的な作品である。

 鬼塚は暴走族時代に培った破天荒なやり方で、人との距離を縮めていく。どんな悩みも笑い飛ばし、かと思えば真剣に向き合うことで生徒たちの心をつかんでいった。そんな鬼塚の魅力は第1話の時点ですでに炸裂している。

 やはり印象的なのは、部屋の壁をハンマーで破壊するあの有名なシーンだ。事の発端は、自分のクラスの水樹ナナコが鬼塚を教師イジメのターゲットにしたこと。そして彼女がそんなことを始めるようになった理由は、両親の家庭内別居が大きなストレスになってしまったからだった。

 鬼塚はこの問題を解決するため、ナナコの両親が別々に生活する部屋のあいだにある壁をハンマーで破壊し、無理やりつなげてしまう。最後には「こっから先はお前次第だ」とナナコにゆだねる姿も、シビれるほどにかっこいい。

 常識外れの行動力と全力で生徒に向き合う姿は令和になっても変わらず、2024年に放送されたスペシャルドラマでも、ある生徒がパパ活で手に入れたブランド品を生徒たちの前でチェーンソーで切り刻む型破りな行動を見せつけた。

 どんな時代でも鬼塚の行動力は生徒たちを変える力があるということがよくわかる。生徒と同じレベルで考え、「大人」では思いつかない方法で突き進んでいく姿は痛快で、見ているだけでスカッとする教師だった。

■規格外の実力で生徒を成長させる『暗殺教室』の殺せんせー

 『暗殺教室』は松井優征さんによる漫画作品であり、2015年に実写映画が公開された。2016年には続編となる劇場版2作目『暗殺教室〜卒業編〜』が公開され、こちらも大ヒットを記録している。

 進学校「椚ヶ丘中学校」の落ちこぼれクラス「3年E組」の生徒たちは、人生をあきらめたような学生生活を送っていた。そこに突如現れたのが、地球を滅ぼすほどの力を持った超生物。彼はなぜかE組の生徒だけに「来年3月まで」という期限付きで自身を殺すチャンスを与え、同時に彼らを教師として教育することにする。つけられたあだ名は、「殺せない先生」からとって「殺せんせー」だ。 

 殺せんせーはもはや型破りというレベルではない。いくつもの触手、想像をはるかに超える移動スピード、どんな教科でも教えられる知識、そして無敵の暗殺能力と、あらゆる点において完璧な生物だ。

 その能力を使い、彼は投げやりになっていた生徒たちを変えていく。やり方はまさに規格外。帰国子女の生徒の英語力のアップのため、超スピードでアメリカまで連れて行って現地の英語を学ばせるなど、スケールがすごすぎる。

 そもそも自分の暗殺を通じ、生徒たちを奮起させるやり方もメチャメチャだ。おとなしい生徒・潮田渚がクラスメイトに無理強いされ殺せんせーとともに自爆しようとした時には、あっさりと爆発を回避し渚も無傷で助けるという離れ業を披露。そして、“クラスメイトや自分を大切にしない生徒に暗殺する資格はない”と優しく諭していた。

 「人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう」、このセリフが殺せんせー流の教育を表す言葉だ。これだけ見るとよくわからないかもしれないが、本編を見ているとこのセリフが胸に染みるのだから不思議だ。破天荒でありながら誰よりも生徒想いの姿は、どんな教師よりも人間味に溢れていた。

 映画では二宮和也さんが声優を務め、人間だった頃の殺せんせーも演じている。コミカルな殺せんせーとかつての姿とのギャップが面白く、生徒を第一に考える「殺せんせー」がどうやって生まれたのかというドラマも見どころのひとつだ。

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