■美しく舞うようなアクションに惚れ惚れ!『キングダム』羌瘣役
清野さんのアクションについて語るうえで、やはり実写映画『キングダム』シリーズの羌瘣役は外せないだろう。本作は原泰久さんによる歴史バトル漫画を原作としており、現在第4弾まで公開されている大人気シリーズだ。
羌瘣は主人公の信とともに戦う女剣士で、暗殺者一族・蚩尤族の出身である。一族に伝わる「巫舞」を使いこなし、まるで踊るような美しい動きで次々敵をしとめる姿が印象的だ。「トーン タンタン」という独特のリズムもその特徴のひとつである。
原作で描かれた羌瘣の超人的な動きを再現するにあたって、アクション監督の下村勇二さんは「既存の武術とアクションにしないこと」にこだわったという。さらに、あえてワイヤーや視覚効果を多用するのを避け、可能な限りリアリティあるアクションを目指したとも語っている。
「舞うように戦う」表現のため、古武術やダンスの動きが取り入れられているという羌瘣のアクション。それを見事表現できているのは、清野さんがすぐれた身体能力の持ち主であるのに加え、たゆみないトレーニングの積み重ね、そしてスタントダブルの坂口茉琴さんとのコンビネーションがあってこそだろう。
『キングダム2 遥かなる大地へ』で信とともに大量の敵に囲まれた羌瘣が、「巫舞」を披露し無双するシーンは圧巻の一言である。
「トーン タンタン」と静かな声で唱えながら跳躍したかと思えば、次の瞬間目にも止まらぬスピードで戦場を駆け巡り、しなやかな動きで敵を葬っていく……。ひとつひとつの動きが素早いのに丁寧で、ずっと見ていたいと思ってしまうほどの鮮やかさだった。
『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチに憧れ、アクションを学び始めたという清野菜名さん。これまでに数々の作品で素晴らしいアクションシーンを披露し、多くの視聴者を釘付けにしてきた。
アクションメインの作品はもちろん、それ以外の作品でも活躍する清野さんの姿から、今後も目が離せそうにない。