「アウラ、自害しろ」「ヒンメルはもういないじゃない」ネットミーム化した人気者も? 『葬送のフリーレン』残忍でもかわいすぎる「魔族女子」たちの画像
原作・山田鐘人氏、作画・アベツカサ氏『葬送のフリーレン(3)』(小学館)

 原作・山田鐘人氏、作画・アベツカサ氏による人気漫画『葬送のフリーレン』(小学館)。かつて魔王を討った勇者一行のひとりで、長命種のエルフであるフリーレンが、パーティ解散後に第二の旅路に出るというストーリーだ。漫画の段階から注目度が高かったが、テレビアニメ化されて、さらに大きな話題を集めた。

 魔王を討ったとはいえ、いまだ世界には人に仇なす「魔族」が脅威として残っている。だが、人間同様に言葉を話す知性を持った魔族には残忍な面はあれど、読者として惹かれる部分があるのも事実。そこで今回は、『フリーレン』の作中に登場する、魅力あふれる魔族たちを振り返ってみよう。

※本記事には作品の内容を含みます。

■勇者の死後に動き出した大魔族

 「アウラ」は魔王直属の幹部「七崩賢」のひとりにして、“断頭台”の異名を持つ大魔族。魔王軍における上位魔族に数えられ、ヒンメルら勇者一行によって魔王が討ち取られたあとは身を潜め、現在まで生き延びていた。

 彼女は「服従させる魔法(アゼリューゼ)」を用い、自分より魔力の劣る相手を支配下に置くことが可能。この魔法で支配した者の首を切り落とし、不死の軍勢を組織した。

 かつて勇者ヒンメルらと対峙しながら撤退に追い込まれた過去があり、アウラはその屈辱を晴らすべく勇者の死後に人間の領地へと侵攻する。だが、フリーレンらに部下を全滅させられる。

 自らフリーレンと対峙して「服従させる魔法」を使用するが、実はフリーレンは自分の魔力量を偽装しており、魔力量が劣っていたアウラのほうが逆に支配され、自害に追い込まれてしまうのだった。

 勇者を恐れて身を隠しながら、勇者の死後に自信満々でフリーレンに挑み、高度な魔力偽装にダマされてしまうなど、どこか魔王軍の幹部らしからぬ小物感が漂っていたアウラ。フリーレンに自害を命じられ、涙を流しながら死んでいく姿を見て、思わず同情してしまった読者もいることだろう。

 そんな影響もあったのか、想像以上にファン人気が高く、2024年3月に「少年サンデー公式サイト WEBサンデー」で実施された「第二回人気投票」では、1位の勇者ヒンメルに次いで、断頭台のアウラが2位にランクインしている。誰が呼んだのか、断頭台ならぬ「表彰台のアウラ」と化したのだ。

 その愛されぶりは「アウラ構文」と呼ばれるネットミームが流行ったことにも現れている。「ヒンメルはもういないじゃない」というセリフや、フリーレンが告げた「アウラ、自害しろ」のセリフはあまりにも有名である。人間とは決して相容れない魔族でありながら、どこか人間臭さが感じられるあたりに、アウラが人気を集めた要因があるのかもしれない。

■かわいすぎて大人気な魔族!?

 「七崩賢」であるアウラ直属の部下「首切り役人」のメンバーのひとり「リーニエ」。ピンク色のツインテールにゴスロリ風のファッション、幼い少女風の外見をしたかわいらしい魔族として描かれている。

 その見た目とは裏腹に性格は冷静沈着で、首切り役人のリーダーであるリュグナーに対して指示を忠実に守るなど、身勝手なドラートとはかなり性格が異なる。

 魔力探知系の能力に優れており、人が動いている際の魔力の流れを記憶し、技をコピーする「模倣する魔法(エアファーゼン)」という固有魔法を用いる。

 作中ではフリーレンの仲間となった戦士シュタルクと対峙し、彼の師匠アイゼンの技を模倣して接近戦を展開。当初は翻弄したものの、シュタルクの圧倒的な耐久力の前に敗れている。結局のところ、相手の実力を見誤っての慢心や油断で敗れたところは上司のアウラに似ており、人間味はゼロではなかった。

 リーニエは2022年9月に実施された「総勢100キャラ人気投票」で34位にランクイン。同じ首切り役人のリュグナー(50位)やドラート(92位)を大きく引き離している。

 さらにアニメ化のあとに行われた「第2回人気投票」では、5位のフリーレンに次ぐ第6位へと大躍進。敵ボスの配下の「ちょっと強い敵」ポジションであることを考慮すると、とんでもない大健闘といえる。アニメ映像で描かれたリーニエのキュートな姿は、より多くのファンの心をつかんだということだろう。

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