
『ガンダム』シリーズには魅力的なヒロインが多数登場するが、そのすべてが明るく幸せな日々を過ごすとは限らない。極端な例では、劇中で死亡してしまう人物もいた。
また、無事に最終話まで生き残ったヒロインの「その後」が、別の映像作品や派生作品で語られるケースもあり、なかには意外な人生をたどった人もいる。
そこで今回は、『ガンダム』作品の宇宙世紀シリーズに登場したヒロインたちの知られざる「その後」をピックアップしていきたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■あまりに不遇すぎる!? 災難続きのヒロインも……
『機動戦士ガンダム』に登場したフラウ・ボゥは、『機動戦士Zガンダム』のなかでハヤト・コバヤシと結婚した様子が描かれた。カツ、レツ、キッカを養子として引き取り、幸せな家庭を築いていたが、グリプス戦役のなかでカツを失い、『機動戦士ガンダムZZ』では夫のハヤトまで失っている。
なお、アニメ『Zガンダム』に登場した時点でフラウは、ハヤトとの子を身ごもっていたが、ことぶきつかさ氏が描いた漫画『機動戦士Zガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのレポートより-』(KADOKAWA)のなかで無事に出産したことが語られている。
また、才谷ウメタロウ氏の描く漫画『機動戦士ガンダム ピューリッツァー -アムロ・レイは極光の彼方へ-』(KADOKAWA)には、そのハヤトとの子が実際に登場。母親のフラウによく似た可愛い女の子だった。
フラウと同じく、ホワイトベースの乗組員だったミライ・ヤシマも、数奇な人生を送ったひとり。ミライはブライト・ノアと結婚したあと、ハサウェイとチェーミンというふたりの子どもを授かる。
しかし、ハサウェイは映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のなかで友軍であるチェーン・アギを殺害。映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』では、連邦軍に相対するテロリストとして活動している様子が描かれた。
映像作品になっている時点では、まだミライやブライトはその事実を知らないようだが、今後公開される続編映画では、不幸な未来が待ち受けている気がしてならない。
■ハッピーエンド? 幸せそうなヒロインたち
フラウやミライとは対照的に、穏やかで幸せな未来をつかみとったヒロインもいる。たとえば『機動戦士Zガンダム』のヒロイン、ファ・ユイリィもそのひとり。
彼女が想いを寄せるカミーユ・ビダンは、テレビアニメ版『Zガンダム』のラストで精神崩壊を起こすという不幸に見舞われたが、それでもファは献身的に寄り添う。
そして『機動戦士ガンダムZZ』の最終話では、症状が回復したと思われるカミーユとファが海岸を元気に走っている姿が描かれていた。
OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のヒロインであるアイナ・サハリンは、敵対組織にいたシロー・アマダと結ばれる。アニメ本編では、兄ギニアスが抱く野望と、自身の恋心の狭間で板挟みになりながら、最終回で兄と決別。後日談となる『機動戦士ガンダム 第08MS小隊 ラスト・リゾート』では、シローの子どもを身ごもり、山奥の小屋でひっそり暮らしている様子が描かれた。
映画『機動戦士ガンダムF91』のヒロイン、セシリー・フェアチャイルドも、主人公シーブック・アノーと結ばれている。長谷川裕一氏の漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』では、ともに打倒・木星帝国を掲げて再び戦いに身を投じていた。
そして木星帝国・総統クラックス・ドゥガチを倒したあとは、シーブックと結婚。一児の母となり、パン店を営んでいる。
そして、いろいろな意味で有名なガンダムヒロインが、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するニナ・パープルトンだろう。劇中、恋人のコウ・ウラキに銃口を向けて、元彼であるアナベル・ガトーを救おうとする場面もあったが、最後は再びコウの前に姿を現していた。
実は『機動戦士ガンダム0083カードビルダー』というアミューズメントマシンのムービーに、OVAのその後のコウとニナらしき姿が描かれている。
それはバスク・オムによるティターンズ結成の演説が流れるテレビ放送を自室で観ている、コウらしき人物の後ろ姿と、すぐそばにニナらしき人物が立っているシーンだ。
顔は映っていないので断言はできないが、髪型や雰囲気からコウとニナに見える。ふたりとも薄手のシャツ1枚という、すごくラフな格好で同じ部屋で一緒に朝を迎えた様子にも見え、まるで同棲を匂わせるようなシーンだった。