「そんな残酷な偶然ってある?」「回避する未来もありえた?」 歴代『ガンダム』で描かれた「あまりにも不運すぎる最期」の画像
DVD『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 VOLUME 1』(バンダイナムコフィルムワークス) (C)創通・サンライズ

 ガンダムシリーズはリアルな戦争描写がひとつの特徴となっており、これまで活躍してきたキャラが前触れもなく散る場面もたくさん描かれている。たとえばアニメ『機動戦士ガンダム』に登場した「ミハル・ラトキエ」という少女の死も、印象的なエピソードのひとつだろう。

 幼い弟と妹を養うため、ジオン軍のスパイとしてホワイトベースに潜入したミハルは「カイ・シデン」との出会いを経て、ジオンと戦う決意をする。しかし、自らが発射したミサイルが起こした風に押し出されるように、上空から大西洋に落下。あまりにもあっけない最期を迎えた。

 ガンダムシリーズでは、彼女のように不可抗力ともいえる突然の死を迎えたキャラはたくさんいる。どのような不幸が襲ったのか、印象的なシーンをあらためて振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■わずかなすれ違いが致命的な結末に……(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争)

 OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』は、サイド6のリボーコロニーに潜入したジオン軍の新兵「バーナード・ワイズマン」(通称、バーニィ)と、ひとりの少年「アルフレッド・イズルハ」(通称、アル)が出会うところから物語は始まる。

 バーニィが所属する「サイクロプス隊」は、アルの暮らすコロニーに運び込まれた「新型ガンダム」の奪取、もしくは破壊を狙っていた。しかしその作戦は失敗し、バーニィ以外のメンバーは戦死する。

 だがジオン軍はこの作戦に保険をかけており、サイクロプス隊の任務が失敗した場合は、核攻撃によってコロニーごとガンダムを破壊する作戦を立てていた。

 そのことを知ってしまったバーニィは一度は逃げ出そうとするが、出会ったアルや大切な人たちが住むコロニーを守るために命をかけて戦うことを決意。標的である新型ガンダム「ガンダムNT-1」を破壊しようと、準備を進める。

 実はガンダムNTー1に搭乗するのは、テストパイロットの「クリスチーナ・マッケンジー」(通称、クリス)。彼女はアルの家のお隣さんであり、バーニィとも顔見知りになる。互いに本当の身分は隠していたが、ふたりは次第に惹かれ合うような描写もみられた。

 間近に迫るジオンの核攻撃を阻止するため、ザクに乗ってガンダムの破壊に臨んだバーニィ。もちろんバーニィとクリスは、交戦中の相手が誰か知らないまま、壮絶な戦いに突入する。

 その結果、機体は相打ちになってバーニィは戦死。回収班によると、コクピット内は「ミンチよりもひどい」状態だったという。

 そして現実はもっと残酷だった。実はふたりが戦闘に入る直前に、核攻撃を目論んでいたジオンの艦艇は連邦に投降していたのである。その事実を知ったアルは、バーニィを止めようと走ったが間に合わなかった。

 いくら戦争とはいえ、バーニィの決死の行動が無意味に終わったのは、あまりにも不運としかいいようがない。ほんの少しタイミングがズレていたら、バーニィ、アル、クリスの3名には、まったく異なる未来が訪れたことだろう。

■理想的な上官が迎えた「まさかの最期」(機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

 OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する熟練パイロット「サウス・バニング」は、新米パイロットである主人公「コウ・ウラキ」の上官であり、彼を厳しく指導しながら導いた人物だ。

 そんなバニングやコウが乗艦する強襲揚陸艦アルビオンは、「シーマ・ガラハウ」率いる艦隊と遭遇。交戦状態に突入する。

 ジム・カスタムに乗って出撃したバニングは、シーマが駆る指揮官用のゲルググマリーネと交戦。軽く被弾しながらもシーマ機の撃退に成功した。

 だが、その帰投中、バニングの機体は被弾した箇所がスパークし、わずかに漏れ出ていた推進剤に引火。その爆発はコクピット内部に深刻なダメージを与え、バニングを乗せたまま機体は爆散した。

 無事に任務を終え、平穏が訪れたと思った状況から起こった、急転直下の悲劇である。バニング機の損傷は軽微に見えただけに、あまりにも不運に感じた出来事だった。

 戦闘前にバニングの別居中の妻から手紙が届いており、戦闘中には敵軍の作戦が記された貴重な証拠まで回収していた。結局バニングは妻からの手紙を読めず、せっかく入手した敵軍の情報も活かせなかったのが、あまりにも悲しい……。

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