
歴史の長い『ガンダム』作品には、数え切れないほどのキャラクターが登場する。そこにはファンから多くの支持を集めた人物もいれば、逆に作中でのやらかしがきっかけで嫌われがちな人物もいる。
たとえば宇宙世紀の作品だと『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する「ニナ・パープルトン」や、『機動戦士Zガンダム』における「カツ・コバヤシ」は嫌われがちなキャラの代表格だろう。
そこで気になるのが宇宙世紀以外のシリーズ、いわゆる「アナザーガンダム作品」での嫌われキャラだ。さまざまな理由から視聴者をイライラさせたキャラは多いが、なかでも特にインパクトがあった者をピックアップしてみた。
※本記事には各作品の内容を含みます
■歪んだ感情で、友人と婚約者を裏切ったふたり
最初に紹介するのは、『機動戦士ガンダムSEED』に登場する「キラ・ヤマト」と「フレイ・アルスター」の2名だ。
キラは『SEED』の主人公で、優れた才能を持って生まれたコーディネイターのなかでも「最高のコーディネイター」と呼ばれたほどの人物。また、フレイは戦争で父親を亡くし、コーディネイターに対して強い不信と憎悪を抱いていた。
フレイは、コーディネイターへの憎しみを晴らすため、同じコーディネイターのキラを利用しようと接近。「コーディネーター同士で殺し合いをさせ、最終的にはキラを戦場で死なせる」という利己的な考えを持っていた。
一方のキラは、そんなフレイの思惑を知らずに、もともと憧れを抱いていた彼女に傾倒していく。だがフレイは、キラの友人である「サイ・アーガイル」の婚約者だった。
そのことを知りながら、ついにフレイと一線を越えてしまったキラは、事件が発覚すると、逆上したサイに「やめてよね。本気でケンカしたらサイが僕にかなうはずないだろ……」と、あまりにも非道な言葉を言い放つのである。
当時のキラは、戦争で精神が疲弊した状態だっただけに、仕方がない面もあったかもしれない。だが、サイに対するこの暴言のシーンは、まるで美人とつき合って気が大きくなった嫌な人物に見えてしまい、筆者も少々嫌悪感を覚えてしまった。
こうした一連の流れからキラとフレイを毛嫌いする人がいる一方、ふたりの置かれた複雑な状況と背景を知り、「情状酌量の余地あり」と思った視聴者もいるようだ。
■自己中で身勝手! 大量虐殺もおとがめなし?
痴情のもつれは当人同士で解決すればよい面もあるが、そんな次元ではない大罪を犯した人物もいる。そのひとりが『機動戦士ガンダム00』シリーズに登場した「ネーナ・トリニティ」である。
私設武装組織「ソレスタルビーイング」のセカンドチームであるトリニティチームの一員であるネーナは、身勝手で残虐な性格の持ち主だ。
彼女が嫌われることになった事件として衝撃的だったのが、「結婚式襲撃」だ。たまたま結婚式を見かけたネーナは、「自分は一生懸命働いているのに脳天気に遊んでいるから」という勝手極まりない理由で、結婚式の参加者を虐殺した。
この結婚式に参列していたヒロインのひとり「ルイス・ハレヴィ」は、このネーナの襲撃によって家族を皆殺しにされ、彼女自身も左腕を失った。
あまりにも唐突なネーナの凶行に「え……何してんの?」と、驚いた視聴者も多いことだろう。筆者もそのひとりで、「戦争根絶を掲げているくせに、そのタネを作り出してどうするのか」と衝撃を受けたのを覚えている。
なお「セカンドシーズン」にて、ネーナはルイスの手で殺されることになるが、ルイスの復讐達成の場面に喜んでしまった人も多いのではないだろうか。