■原点回帰的な金田一!4代目・山田涼介
スペシャルドラマと連続ドラマの両方で4代目の金田一を演じたのが山田涼介さんだ。2013年に単発ドラマ『金田一少年の事件簿 香港九龍財宝殺人事件』で初めて金田一を演じ、2014年に『金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件』で再び主演を務めた。そしてその後、『金田一少年の事件簿N(Neo)』というタイトルで連続ドラマが放送されている。
本作には、新たな金田一像を模索していた2代目・3代目とは変わり、原作のイメージと近い「原点回帰」的な雰囲気が感じ取れる。思春期真っただ中で、美雪とのコミカルなやりとりもする等身大の姿が魅力的だ。
個人的には、同じ作者による『探偵学園Q』の実写ドラマで天草流を演じた山田さんが、金田一一を演じている点も感慨深い。
連続ドラマ最終回では美雪に「お前の謎は、俺が一生かけて解き明かしてみせる」と語り、「ジッチャンの名にかけて」とおなじみの名言で爽やかに締めくくる姿が印象的である。青春モノとしても味わい深い作品だった。
■フレッシュな演技が眩しかった5代目・道枝駿佑
令和初のドラマ『金田一少年の事件簿』では、道枝駿佑さんが5代目の金田一を演じた。道枝さんは山田さんが演じた金田一に憧れ芸能界入りを志したと語っており、長年『金田一少年の事件簿』に出演することが夢だったという。
作中で道枝さんは三枚目の金田一をコミカルに演じた一方、推理のシーンでは論理的にカッコよく真相を解き明かす姿を見せている。「一ちゃんのバカっぽいところと、謎解きをして真剣なカッコいいところのギャップを見せたい」と意気込みを語っていた通り、お調子者の一面も好演していた。
第一話では堂本剛版でも映像化された「学園七不思議殺人事件」が再映像化されたが、学園内を走り回ったり、けがをさせられた美雪のために奔走したりと、若さあふれるフレッシュな印象を受けた。爽やかでかわいらしい笑顔やどこか子犬を連想させる人懐っこさは、道枝さんならではの持ち味だろう。
ドラマ『金田一少年の事件簿』では、時代を彩るイケメンたちが同一キャラクターをそれぞれの個性を活かしながら表現しているのも面白いポイントだ。各作品を見比べて自分の中の「金田一像」を深めていくのもまた楽しいかもしれない。