![最上位は乙女座のシャカ、残念だったのは蟹座のデスマスク…『聖闘士星矢』当時盛り上がった「星座の人気格差」の画像](https://futaman.ismcdn.jp/mwimgs/3/d/728w/img_3de8888e8078b7cee5e84c3a2bdf42c3350024.jpg)
1985年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が始まった、車田正美氏の『聖闘士星矢』。ギリシャ神話の星座をモチーフにしたストーリーが展開される本作は、主人公のペガサス星矢をはじめ、ドラゴン紫龍、キグナス氷河など、それぞれに守護星座があるのが特徴だ。
なかでも『ジャンプ』連載当時、子どもたちの間で大人気だったのが「黄金聖闘士」である。彼らは12星座、いわゆる“誕生日の星座”を背負う戦士たちのため、自分の星座と黄金聖闘士のキャラを見比べた読者も多かった。強い黄金聖闘士は羨ましがられたり、逆に悪役の場合は自分の星座にちょっとガッカリしたり……。『聖闘士星矢』はいわば昭和の「星座の人気ランキング」を生み出した作品ともいえるだろう。
今回は当時話題になった『聖闘士星矢』の黄金聖闘士における人気星座について、「黄金聖闘士編」を中心に振り返りたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■最も人気だったのは乙女座のシャカ、水瓶座のカミュなど
星座占いが流行っていた昭和の時代、“男なのに乙女座かよ〜”なんてからかわれた経験はないだろうか。そんな乙女座ボーイズを救ってくれたのが、乙女座(バルゴ)のシャカである。
シャカは「黄金聖闘士編」にて、青銅聖闘士のなかでも最強のフェニックス一輝と戦い、“六道輪廻”や“天舞宝輪”といった最強の技を披露し、読者を震え上がらせた。
普段は目を瞑っているおごそかな雰囲気のある戦士だが、目を見開いた瞬間、世の中が終わってしまうかのような絶望的な強さを誇り、敵ながら圧倒的な存在感を放ったキャラである。
また、キグナス氷河の師匠である水瓶座(アクエリアス)のカミュも人気が高かった。拳先から絶対零度の冷気を放つ最強の拳・“オーロラエクスキューション”は単純にカッコよく、弟子の氷河を慮って仮死状態にさせる姿などからは、彼が心優しい師匠であったことが分かる。
主人公・星矢たちの青銅聖衣を何度も修復している牡羊座(アリエス)のムウや、善と悪の心に揺れる苦悩が描かれていた双子座(ジェミニ)のサガも、黄金戦士のなかでは“いい人”と認識されていただろう。
この4人は、12星座のなかでもとくに人気があったように思う。
■正体が分かったら人気急上昇!? 天秤座の童虎、射手座のアイオロス
続いて紹介したいのが、天秤座(ライブラ)の童虎である。当初、童虎はドラゴン紫龍の師匠として登場した。“老師”と呼ばれていた彼は小柄で穏やかな老人の姿をしていたが、想像できない凄まじい実力を持っていた。
その後、老師は「ハーデス編」にて若返り、童虎として活躍する。この老師が、実は天秤座の黄金聖闘士だったことに驚いた人も多かっただろう。それもあり、そこから一気に人気が高まったキャラであった。
また、射手座(サジタリアス)のアイオロスは、次期教皇候補と期待された実力者だ。しかし濡れ衣を着せられ、逃亡先で出会った城戸光政に射手座の黄金聖衣を渡したあと命を落としてしまう。彼が生きていれば黄金聖闘士を束ねる重要人物になっていただろうに、実に残念だった。余談だが、原作者の車田氏の星座はこの射手座だそうだ。
続いて、その弟の獅子座(レオ)のアイオリアは、黄金聖闘士のなかでも星矢にとってよき兄貴分であった。教皇になりすましたサガに操られてしまう側面もあったが、アイオリアが繰り出すスピード感のある“ライトニングボルト”の攻撃にはシビれた。なによりルックスも良いキャラだった。
そして蠍座(スコーピオン)のミロ。蠍座らしい毒攻撃を得意とし、十二宮では氷河と死闘を繰り広げた。最終的に仲間やアテナのために前進する氷河に心を打たれ、血止めの処置をして命を救っている。まさに昨日の敵は今日の友といった前向きな行動に、好感を持った読者は多かった。