![『ONE PIECE』エースに『鬼滅の刃』煉獄さん…ジャンプ史に残る「最高の兄貴分キャラの最期」の画像](https://futaman.ismcdn.jp/mwimgs/7/f/728w/img_7f989bd6c80b2b2a8eb583ce98517fcc105162.jpg)
『週刊少年ジャンプ』(集英社)の作品には、読者の感動を誘う「最期のシーン」がたびたび見られる。もちろん、なかには死んだと思いきや実は生きており再登場を果たすキャラもいるのだが、そうではない今生の別れには、つい涙してしまうものだろう。
とくに主人公と親しい間柄のキャラの死はなんともつらい。『ジャンプ』を毎週買っていた小学生のころから大人になったいまでも、大いに泣かせてもらっている。そこで、筆者が感動させられた最高の「兄貴分キャラの最期のシーン」を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■「愛してくれて…ありがとう!!!」ルフィをかばって絶命する『ONE PIECE』ポートガス・D・エース
1997年より連載が始まった尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』の主人公、モンキー・D・ルフィの良き理解者であり、“兄”としてルフィを支えてきたのが、ポートガス・D・エースだ。
エースは海賊王ゴールド・ロジャーの息子で、白ひげ海賊団の2番隊の隊長を任されている男だ。“メラメラの実”の能力者で炎を操り、戦闘力も高い。エースは幼いころに義兄弟であるルフィやサボとともに過ごし、海賊として活躍することをみんなで夢見て盃をかわすほど固い絆で結ばれていた。
複雑な出自ながら仲間思いで笑顔も爽やか、さらに能力も抜群のエースはファン人気も高く、主人公の兄貴分として申し分ないキャラであった。
そんなエースの最期は壮絶だった。ルフィと再会後に訪れた「マリンフォード頂上戦争編」にて。海軍本部大将“赤犬”ことサカズキの前に劣勢となり、片腕を焼かれてしまうエース。その直後、サカズキは激戦の疲れで動けないルフィに照準を絞る。
ここからルフィが起死回生でサカズキをぶっ飛ばすと高を括っていたのだが、なんとここでエースはルフィの前に立ちはだかり胸を貫かれてしまう。
致命傷を負ったエースをルフィが抱きかかえると「……!! ごめんなァ……ルフィ」と言い、ちゃんと助けて貰えなかったことを詫びる。そして、ルフィの夢の果てを見られないことを心残りとしながら、それでもお前なら必ずやれるはずだと信じ、そして、みんなにこう伝えてほしいと告げる。
「今日までこんなどうしようもねェおれを 鬼の血を引くこのおれを……!! 愛してくれて……ありがとう!!!」と。
そしてエースは涙を流して息を引き取った。その顔は満足そうな笑顔を浮かべており、見ているこちらも号泣だ。
本作において主要キャラの死は珍しいが、きっとエースの死は今後のルフィにとっても大きなターニングポイントとなっていくのだろう。
■最期まで己の使命を全うする『鬼滅の刃』煉獄杏寿郎
2016年から連載された吾峠呼世晴氏の『鬼滅の刃』では、主人公・竈門炭治郎の良き兄貴分である鬼滅隊炎柱・煉獄杏寿郎の死も切なかった。
早くに亡くなった母の思い出を胸にしまい、酒に溺れてしまった元炎柱の父を責めることもせず、優しく明るく振る舞う煉獄は誰からも好かれる存在であった。
煉獄は40人もの乗客が行方不明になっていた“無限列車”の調査に乗り込み、その後、乗客を人質にして食らおうとする下弦の鬼・魘夢を食い止めることに奮闘。炭治郎が魘夢を退治するのをサポートし、列車は脱線するも一人の死者も出さずに事を収めている。
だが、ここで駆け付けた上弦の鬼・猗窩座に強襲され、一騎打ちとなった煉獄。互角の戦いを見せるも、疲れを知らず超再生力を持つ猗窩座に押され、深い痛手を負ってしまう。
煉獄の強さを認めた猗窩座は鬼になるようしつこく勧誘しており、なんとなく死亡フラグみたいなものを感じてしまった覚えがある。
だが煉獄は「俺は俺の責務を全うする!!」「ここにいる者は誰も死なせない!!」と、片目をつぶされながらも剣を構え続けた。
最期は猗窩座の首を斬ろうとするも、寸前でかなわず逃げられてしまう。日の出から逃れる猗窩座を逃してしまい慟哭する炭治郎を呼び寄せ「胸を張って生きろ」と静かに語る。そして心を燃やしてもっと成長し、今度は炭治郎たち次の世代が鬼滅隊を支えるようになるよう優しく促すのだ。
母との約束だった“弱き人を助けるのは強き人の役目”という責務を全うし、母の幻影を見て「立派にできましたよ」という言葉に笑顔で散っていった煉獄。その後、彼の死は炭治郎ら若い隊士にも強い影響を残したのだった。