![『北斗の拳』ラオウ最強の愛馬「黒王号の軌跡」を辿る…衝撃の出会い、背を許した男たち、脅威の戦闘能力、迎えた最期はどうだった?の画像](https://futaman.ismcdn.jp/mwimgs/1/f/728w/img_1f79e6304bcec1b6aa3331e216dd2163290406.jpg)
1983年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が始まった『北斗の拳』(原作・武論尊氏、作画・原哲夫氏)には、ストーリーを盛り上げる強い馬が登場する。それがラオウの愛馬、黒王号だ。
馬が登場する漫画はたくさんあるが、黒王号はその存在感がハンパない。絶対的な強さを誇るラオウの愛馬だけあって、その強さや気高さは漫画界のなかでも群を抜いているように思う。
今回はそんな黒王号はどのように登場し、どのように活躍したか、その軌跡について紹介したい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■どうやって出会った? ラオウとの初対面シーンも衝撃的
黒王号は本作においてラオウの愛馬、そして物語後半にはケンシロウに仕える馬として長く登場する。そんな黒王号がラオウと初めて出会うシーンは『天の覇王 北斗の拳 ラオウ外伝』にて描かれている。
もともと黒王号は、1000頭あまりの野生の馬たちが暮らす黒王谷の王として君臨していた。そこにラオウが訪れたとき、黒王号は怪我をした仔馬を守りながら2頭の虎と激しい戦いを繰り広げていた。
ラオウは、王たる者がたった一頭の仔馬のために命を懸けることに疑問を呈し、衰弱した仔馬に止めを刺す。この行為に激怒した黒王号はラオウを蹴散らし、虎も退治した。その後は自身の一撃にも耐え抜いたラオウの強さや考えを認め、ラオウ率いる拳王軍の一員となって活躍するのであった。
「王は死んではならぬ!」「我が覇業が成るその日までよい… その背をオレに貸してくれぬか」というラオウのセリフが、黒王号の心に響いたのだろう。馬と人間は言葉をかわすことはできないが、黒王号にとってこの出会いは運命が変わった転機であり、それを受け入れたのだろう。
■選ばれし者だけが騎乗を許される…知性と高貴さを備えた馬
黒王号は恐ろしいラオウの愛馬ゆえ、基本的にその背中に乗ろうとチャレンジする者はいなかった。しかし南斗五車星の一人“雲のジュウザ”だけは、ラオウとの戦いの最中に黒王号の背中に飛び乗っている。
この時の黒王号はジュウザを降ろそうと暴れたが「静まれーい!!」とジュウザがいなすと、彼の強さや考えを読み取ったのか、しばらくしておとなしく従うようになる。その後、ジュウザが死んだ際、黒王号は地面をかき、ジュウザに土をかけるような仕草を見せ、ラオウに対しジュウザを手厚く葬るよう伝えるのであった。
ラオウの死後、黒王号はケンシロウの馬として仕え活躍していく。また物語終盤にはバットとともに海を渡った描写もあった。
こう見ると、原作漫画で黒王号が背中を許した男たちはいずれも物語の鍵を握る人物だけであり、選ばれし者だけが騎乗を許されていることが分かる。