■実は拮抗してる? 頂上戦争編での対峙シーン

 大物同士の対決がたびたび描かれる『ワンピース』だが、クロコダイルとミホークが激突する場面もあった。それは2年前に起こった頂上戦争での出来事だ。

 エースが処刑されようとするなか、それを阻止しようとする白ひげ海賊団に対し、王下七武海を加えた海軍本部の勢力が激しくぶつかった。アラバスタの一件で称号を剥奪され、インペルダウンに投獄されていたクロコダイルはルフィらとともに脱獄し、戦場に乱入。ミホークは七武海への要請に従って、海軍側として参戦していた。

 ルフィを執拗に追うミホークは、クロコダイルの部下であるMr.1「ダズ・ボーネス」を斬り伏せる。そしてルフィに斬りかかったミホークの剣を阻止したのがクロコダイルだった。

 かつて白ひげに敗れているクロコダイルは、その宿敵が傘下のスクアードごときに刺されたことに対して激高。その鬱憤を晴らすかのように暴れていた。

 左腕の義手のフックでミホークの剣を止めた場面では、ミホークが驚いたような表情を浮かべており、クロコダイルは「今…!! 虫の居所が悪ィんだ 気ィつけな鷹の目」と言い放っている。

 頂上戦争では、それ以上ふたりの戦闘シーンは描かれなかったため、具体的な実力差は不明ではあるが、「世界最強の剣士」と名高いミホークの斬撃をたやすく受け止めた一点だけを見ても、簡単に勝敗がつくような差ではない可能性を感じた。

■部下に慕われる? カリスマ性では優勢か

 戦闘面の実力はさておき、部下を率いるリーダーとしてはクロコダイルに軍配が上がるだろう。アラバスタではバロックワークスの社長として部下を率いて緻密かつ冷徹な計画を企て、実行に移している。

 また、クロコダイルは血も涙もない冷血漢のように見えて、実は部下から信頼を寄せられている。Mr.1はインペルダウンからの脱獄、頂上戦争への参加、新世界への再突入まで常に付き従っており、海軍の留置所に捕らわれた際は、Mr.5を含むかつての部下たちがそろって救出に駆け付けていた。 

 こうした面から、単に畏怖されるだけの人物ではなく、危機が訪れた際は身を挺してでも救おうとするほど慕われるカリスマ性の持ち主なのは確かだろう。これは一匹狼的な動きをしてきたミホークには見られない部分であり、クロコダイルの特性といえそうだ。


 現在、ミホークとともにクロスギルドに所属しているクロコダイル。過去の実績や懸賞金額などからミホークよりもはるか格下に見られがちだが、読者が思うほど実力差がない可能性もあり、クロコダイルにしかない強みがあるのも事実だ。バギーのおかげで唐突なワンピース争奪戦に巻き込まれるかたちになったが、クロコダイルの真の実力が描かれる機会は訪れるのだろうか。

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