コミックス未収録の衝撃回…藤子・F・不二雄『ドラえもん』思わず目を疑う「ぶっ飛び」エピソードの画像
『藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 20』(小学館)

 藤子・F・不二雄氏の描いた『ドラえもん』(小学館)は、世界中の子どもたちに夢を与える作品として多くの人に親しまれている。『映画ドラえもん』シリーズは2025年で45周年を迎え、3月7日から記念作品となる『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』が公開される。

 ところで、漫画の『ドラえもん』には「てんとう虫コミックス」に未収録のエピソードが数多く存在することをご存知だろうか。初期の作品は、限られた話数しか単行本に収録されなかったことが影響している。

 そして、こうした未収録エピソードのなかには、今思えば「ぶっ飛んでる」と感じるような突拍子もない話もいくつもあった。

※本記事には作品の内容を含みます。

■スネ夫の姿がインパクト大! 推定10メートルに巨大化

 「虫めがね」の回では、何でも見たものが大きくなる虫めがねが登場。スネ夫が虫めがねを強奪し、通りすがりの人の体のパーツだけを大きくするいたずらを繰り返す。怒った人々に追われて困ったスネ夫は、虫めがねで自分自身を巨大化させた。

 まるで戦隊ものの怪人のように、推定10メートルほどに巨大化。その姿でスネ夫が逆襲すると人々はパニックになって逃げ出し、ジャイアンも「ごめんよう」と全面降伏する。

 さらにスネ夫は「ぼくにはこわいものなしだ」と食事中の家を襲い、屋根を剥ぎ取って「やあ、うまそうだな。ぼくにもおくれ」と住人に迫る。最後は駆けつけたドラえもんによって人形サイズに縮小されて制裁を受けるが、巨大化して街の人々を襲うスネ夫の姿がインパクト抜群のエピソードだった。背の高さにコンプレックスがあるスネ夫らしいエピソードでもある。

■ジャイアンVSキングコング

 ジャイアンが巨大化した「キングコング」というストレートなタイトルの回も存在する。

 ハイキングにやってきたのび太たち(珍しくスネ夫だけいない4人編成)。小さくしていた荷物をドラえもんがスモールライトで元の大きさに戻す(スモールライトにはビッグライトと同じく物を大きくする機能がある)様子を見たジャイアンは、自分の弁当を大きくしようとスモールライトを奪って自分の荷物に光をあてるが、誤ってサルに当たってしまい、サルは巨大なキングコングになる。

 「ウガオ」と雄叫びをあげたキングコングは、ジャイアンを捕まえて舌で舐めはじめる。スモールライトを奪ったキングコングはワケも分からずジャイアンに照射すると、今度はジャイアンが巨大化。怒ったジャイアンがキングコングを取り押さえてしまった。

 その写真を見たスネ夫は「へえっ、キングコングが2匹も出たの」と案外あっさり納得するというオチだった。

 ちなみにこのエピソードが発表された1976年は、映画『キングコング』(リメイク版)が公開されている。映画好きの藤子・F・不二雄氏がネタにしたのは間違いないだろう。

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