■変身前後でキャラ感が大きく変わった『ラグランジュポイント』の「バイオカイザー」
1991年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたのが、SFの要素を取り入れたRPG『ラグランジュポイント』だ。ファミコン末期において、コナミの隠れた名作といえる作品である。
地球から宇宙のスペースコロニーに移民したイシス星団に対し、クーデターを起こすのがバイオ軍団である。それを束ねるボスが「バイオカイザー」で、主人公は気味の悪いクリーチャーやミュータントを倒しながら、このバイオカイザーに立ち向かっていく。
本作には気持ち悪い敵キャラが多く登場するのだが、なかでも印象的だったのが、可愛らしい少年・タムを殺害するという暴挙に出た中ボスの「オレギ」だ。緑色のサーベルタイガーみたいなものの上に赤い化け物のようなものが乗っているような不気味な姿、口から血を流し息を引き取るタムの描写と相まって、トラウマものだった。
そして、ラスボスの「バイオカイザー」。最初は女神のような神々しい雰囲気を放っているのだが、ダメージを与え続けると触手を持った不気味な怪物に変身してしまう。グラフィックに迫力もあり、インパクトが大きかった。変身前後でキャラ感の印象が大きく変わった珍しいボスキャラともいえたものだ。
さて、今回紹介したSFチックなRPG作品はどれも優秀な名作ゲームである。知名度では『ドラクエ』や『FF』に劣るかもしれないが、やり込んだ人にとっては、この王道2作品のシリーズに負けないくらい印象的なゲームだったのではないだろうか。
インパクトが絶大だったこれらボスキャラの存在も、プレイヤーの心に深く植え付けられていることだろう。