『北斗の拳』ジャッカルにジャギ…同情の余地なし!悪役キャラの「クズすぎる悪行とその末路」の画像
原作:武論尊、漫画:原哲夫『北斗の拳 究極版』第4巻(徳間書店) ©武論尊・原哲夫

 原作:武論尊氏、作画:原哲夫氏による『北斗の拳』(集英社)は、連載が終了して36年経っても未だに熱狂的なファンが多い人気作品である。

 本作には多くの魅力があるが、中でも特に注目してほしいのが敵キャラだ。ケンシロウを苦しめる強キャラはもちろん、雑魚キャラまで豊富なのは『北斗の拳』ならではだと思う。

 そんな敵キャラたちの性格はさまざまで、正々堂々と戦う者もいれば、どんな手を使っても勝てば良いという卑怯者もいる。

 しかも後者のキャラは、弱者に対してかなり厳しい……。まるで憂さ晴らしでもするかのように、簡単に命を奪ってしまう。そしてそういったクズキャラは、ろくな死に方をしないケースがほとんどだ。

 そこで今回は、『北斗の拳』で描かれたクズすぎる悪行を紹介していこう。それをおこなった者がどのように粛清されるのかも注目である。

■悪あがきも半端じゃないジャッカル

 まず紹介したいのは、野盗のボスであるジャッカルだ。ジャッカルは、それまでの雑魚キャラとはひと味違い、強い人間には逆らわない考えの持ち主である。

 だから彼は、ケンシロウがバットの生まれ故郷の村で井戸の水を掘りあてたときにも、すぐに奪いに向かうことはしなかった。ケンシロウが村を立ち去るまでじっと待っていたのだ。

 「今 いかなくても水は逃げん!!」と待ちの姿勢をとったジャッカルは、ケンシロウが十分離れたところまで行ってから村を襲撃。バットの育ての親であるトヨが銃を手に抵抗すると、ダイナマイトを巻き付けた体を見せて脅す。すると子どもたちを巻き込みたくないトヨは銃を撃てなくなり、ジャッカルはそんな彼女をナイフで突き刺した。

 その後、ケンシロウが異変に気づいて村に戻った時にはもう遅かった……。トヨは息も絶え絶えで、ジャッカルは火をつけたダイナマイトを子どもに背負わせるという信じがたい時間稼ぎをして、そのまま逃げていく。

 その後トヨは息を引き取り、いつも強気であるバットもこの時ばかりは泣き崩れてしまった。

 ケンシロウはそんなジャッカルの所業に激怒し、地獄の果てまで追いつめると決意。ジャッカルの手下を時間差で死ぬよう仕込んだ上で、ジャッカルのもとへ「メッセンジャー」として送り込んだ。その後、ケンシロウの強さをまざまざと見せつけられた他の手下たちは、恐怖におののきジャッカルを裏切り、チームとして機能しなくなっていく。

 最終的にジャッカルはケンシロウから逃げる中、最後の悪あがきとして囚われていた死刑囚の悪魔の化身(デビルリバース)を解き放つ。しかも自身が彼の生き別れの兄だと嘘をついて味方につけ、ケンシロウを悪人に仕立て上げて襲わせている……。まさにクズだ。

 しかし、デビルリバースはケンシロウの北斗七死星点により瀕死の重傷となり、兄だと思い込んでいるジャッカルに助けを求めた。その結果、ジャッカルはデビルリバースに握りしめられて身動きが取れなくなり、ケンシロウが置いたダイナマイトから逃れることができず爆死してしまう。

 悪行だけではなく、悪あがきがここまでひどい雑魚キャラは他にはいないかもしれない。

■幼い兄弟に八つ当たりするジャギ

 次は、ケンシロウの義兄であるジャギの悪行だ。ジャギはケンシロウのことをずっと恨んでいた。その理由は、兄よりすぐれた弟はいないと思っていたのに弟のケンシロウに負けたからである。なんと器の小さいことだろう……。

 ジャギのケンシロウに対する恨みは根深く、「きさまのその耳が弟に似ている」という理由で罪のない人間の命を奪ったこともあるほどだ。

 そんな彼は、ある日幼い兄弟が目の前に現れた時、老人が彼らについてうっかり口にした「ほんとうにほんとうによくできた弟なんです!!」という言葉に激怒する。そしてなんと、弟のほうだけを砂漠の中に置き去りにしてしまうのだ。

 しかも足を鎖で大きな石に繋いでいたので、少年は歩くこともままならない。彼はそれでもわずかな望みを持って必死に村へ戻ろうとしたが、道半ばで力尽きてしまう……。これにはケンシロウも「きさまには地獄すらなまぬるい!!」と怒りをあらわにしていた。

 ジャギの非道ぶりはそれだけではない。シンをそそのかしてユリアを奪うよう仕向けていたのも実は彼で、それを知ったケンシロウの怒りは頂点に達してしまう。

 ケンシロウはこれまでにないくらいの怒りを拳に乗せ、卑怯な手を使うジャギに北斗神拳を叩き込んで葬った。「これはシンの分!!」「ユリアの分だ!!」とさまざまな者の怒りも乗せられた攻撃はさぞかし重かったことだろう。

 そのあまりの剣幕に「や…やめてくれ!!」「そんなものさされたら死んじまう!!」などと命乞いをするジャギの姿は、実に滑稽だ。過去に一度ケンシロウに許されているのだから、そこで諦めれていれば良かったのにとも思ってしまった……。

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