漫画やアニメの登場人物にはイケメンや美女などさまざまなキャラクターがいるなかで、意外と侮れない人気を誇るのが老人キャラだ。年の功を活かした懐の深いキャラが多く、バトル漫画においては最強クラスの実力者であるおじいさんも数多く登場する。
しかし、そんな作中最強のおじいさんキャラは、主人公たちにあとを託して途中退場するケースも珍しくない。今回は圧倒的な強さを誇ったおじいさんたちの、涙なしでみられなかった壮絶な最期のシーンを振り返ってみたい。
■命を賭しての渾身の必殺技も…!?
『ドラゴンボール』のおじいさんキャラの代表格といえば、やはり亀仙人だろう。ほかにも有名なおじいさんは多いが、亀仙人のことは老若男女、多くの読者が知っているのではないだろうか。
亀仙人は主人公・孫悟空の師匠。武天老師とも呼ばれ、かつて地球でもっとも強い武道の達人といわれていた。変装してジャッキー・チュンという偽名を名乗り、修行の一環として弟子の悟空と激闘を繰り広げたのは、作中屈指の名勝負だ。
そんな亀仙人は復活したピッコロ大魔王と戦い、命を落とすことになる。正面切っての戦いでは勝ち目がないとわかっていた亀仙人は、彼の師だった武泰斗の技「魔封波」を使い、恐怖の大魔王を再び封印しようとする。しかし、その試みは失敗に終わり、体力を使い果たした亀仙人は死亡した。
この場面はかなり衝撃的なシーンだった。すでに親友のクリリンが死んでおり、メインキャラの死に対する耐性はあったはずだが、あの亀仙人すらたやすく死んでしまうという事実が恐ろしかった。
しかもこのとき人類の頼みの綱である神龍までピッコロ大魔王に殺されていたこともあって、絶望感しかなかったのを覚えている。
■刃を向けた相手まで赦した偉大なる老人
死亡したあとも、なお最強の一角として存在感を示し続けているのが、『ONE PIECE(ワンピース)』に登場する「白ひげ」こと、エドワード・ニューゲートだ。
伝説の海賊である海賊王ゴール・D・ロジャーと互角の力を持つといわれ、懸賞金もロジャーに次いで高く、50億ベリーを超えるバケモノだ。
「仲間殺し」を禁忌とする白ひげは、それを破った元部下のマーシャル・D・ティーチに翻弄されるかたちで追い詰められていく。そしてマリンフォードの頂上戦争が、彼の死に場所となった。
白ひげ海賊団の2番隊隊長であり、ルフィの義兄であるエースが海軍に捕縛される。彼を助けるために白ひげ海賊団とルフィたちが海軍の最高戦力と戦う、作中でも屈指の人気エピソードが頂上戦争だ。
白ひげは、圧倒的な強さで優勢だったにもかかわらず、海軍大将サカズキの策略をきっかけに命を落とすことになる。
もともと高齢で持病もあった白ひげは、海軍のサカズキに扇動された部下のスクアードによって胸部を刺される。そんな重傷の老体にもかかわらず、白ひげは鬼のような強さをみせたのが印象的で、そのシーンを初めてみたときは筆者も驚かされた。
そしてサカズキに騙されたとはいえ、白ひげに刃を向けたスクアードを嫌いになりかけたが、「バカな息子をそれでも愛そう…」といって彼を抱きしめる白ひげの姿に、器の大きさと格の違いを思い知らされた。
その後、エースを殺されたことで怒りのままサカズキを攻撃するが、満身創痍の白ひげは逆に頭部を焼かれるという致命傷を負わされ、最期は立ったまま絶命する。
本編の時間軸で白ひげの活躍が見られないのは残念だが、過去の回想シーンではまだまだ登場しそうなので、そちらに期待したい。