©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
『ONE PIECE』Log Collection ACE(エイベックス・ピクチャーズ)

ONE PIECE』のポートガス・D・エースは、死亡してもなお人気を誇るキャラだ。ルフィの義兄であり、その生き様はルフィに大きな影響を与えている。自然(ロギア)系悪魔の実の能力者で、覇王色の覇気にも覚醒していたという強力な海賊である。

 新世界編以降は、覇気や悪魔の実の覚醒、覇王色を纏う……といったさまざまな要素が複雑に絡み合うようになった。それもあって、そもそも戦闘シーンがあまり多くないエースがどの程度強かったのかはわかりづらくなっている。そこで今回は、エースが歩んできた軌跡から彼の強さを再検証していこう。

■ルーキー時代から七武海撃破!

 エースは海賊王ゴール・D・ロジャーの息子として生まれ、幼少期にはすでに覇王色の覇気を覚醒させていた。その基礎戦闘力はルフィが「勝負して一回も勝ったことなかった」と話すほどだ。 

 彼はルフィよりも3年早く海に出て、急速に名を上げている。その過程で自然系悪魔の実「メラメラの実」を食べて、武装色の覇気を使えない者では太刀打ちできないほどの強さを手に入れていた。

 その実力は、白ひげ海賊団に入る前に、世界政府から王下七武海への勧誘が届くほどである。

 そして、新世界にて「白ひげ」ことエドワード・ニューゲートと交戦し、彼の海賊団に入ることになる。その前のルーキー時代に七武海の「ハナフダ」を倒しており、その後も七武海の「海侠のジンベエ」と5日にわたる死闘を繰り広げた実績があった。

 ルフィもルーキーの時代に、七武海のクロコダイルとゲッコー・モリアを倒しているが、単独で挑んだと思われるエースと並んだとは言い難い。クロコダイルには事実上、二度敗北しているし、モリアには一味全員で立ち向かい、「ナイトメア・ルフィ」のような他人の力を利用していたためだ。

 こうして考えると、エースが前述の相手にどれほど苦戦したかははっきり描かれていないものの、ルフィに対して七武海への勧誘がなかったことを踏まえても、エースのほうが実力と知名度は上と見られていたことが考えられる。

■おでんの欠番を受け継ぐ!白ひげの2番隊隊長

 四皇・白ひげには敗北したものの、その船にとどまることになり彼の命を狙い続けたエース。しかし、やがて白ひげの懐の深さに感銘を受け、白ひげ海賊団の一員となった。そしてその実力と人柄によって、光月おでんが抜けて以来、欠番となっていた2番隊隊長に任命される。

 おでんは若き日のカイドウに大きな傷をつけるほどの強さを持ち、その後釜に選ばれたエースも相当な実力を持っていたはずだ。かなりの若さで四皇の最高幹部にまで上り詰めたことからもそれはうかがえる。

 そんなある日、運命の分岐点がやってくる。部下のマーシャル・D・ティーチが仲間殺しを犯して逃走。エースは彼を追うために、一時的に単独行動をとる。この頃のエースの懸賞金は5億5000万ベリーと、四皇の最高幹部にしては低いようにも思える。

 しかし、懸賞金は強さだけでなく、政府におよぼす危険度なども反映される。白ひげ海賊団は、ワノ国への攻撃を控えたり、赤髪海賊団との交渉も慎重に進めていたりと、世界を混乱させるような行動は避ける傾向があった。そのために、幹部の懸賞金も5億程度にとどまっている可能性が高い。

 エースの実力が懸賞金額以上のものであることは、赤髪のシャンクスが「エースは強い…!!!」と断言していることからもわかる。ジンベエも黒ひげの強さを表すのに「今は あのエースさんさえ討ち負かす程の“力”を手に入れとる!!」と話し、エースの強さが四皇、七武海から見てもトップクラスだと示されている。

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