■どこまでも追いすがる“不死身”のスタンド…ノトーリアス・B・I・G
DIOのスタンド「ザ・ワールド」は“時間停止”の能力はもちろん、単純なパワー、スピードも実に強力で、真っ向勝負を仕掛けられる存在はそう多くはないだろう。
だが一方で、第5部に登場したスタンド「ノトーリアス・B・I・G」ならば、その特異性でDIOの圧倒的な戦闘力に真正面から対抗できるかもしれない。
この「ノトーリアス・B・I・G」は、ギャング組織「パッショーネ」に所属する男性・カルネのスタンドで、これまでとは一風変わった特徴を秘めていた。その特徴とは、本体のカルネが死亡することで、はじめて能力を発現することができるというもの。
本体が死ぬとスタンドが対象を自動追跡するのだが、その場にいる“もっとも早く動くもの”に反応し、それ以上の速度で攻撃を仕掛けてくる。
スタンドを操っているはずの本体が死亡していることから“射程距離”という概念がなく、ほんのわずかでも肉体が残っていれば周囲のものを取り込むことで再生し、際限なく対象を追いかけ、駆逐する。
その驚異的な能力は、第5部にて主人公のジョルノ・ジョバァーナ一行を壊滅寸前まで追い込み、ホラー映画さながらの絶望的な絵面を作り出した。
おそらくその特性上、DIOの「ザ・ワールド」の速度すらも凌駕し、凄まじい再生能力でどこまでも追いすがってくるのではないだろうか。吸血鬼の再生能力が勝つか、はたまた本体を失ったスタンドの執念が勝つか……まさに互いの不死身さを比べ合う戦いといえるかもしれない。
その圧倒的な戦闘能力と存在感で、読者までも魅了する“カリスマ性”を持つDIO。最強であるがゆえ、“どちらが強いのか”という議論でたびたびその名を挙げられる存在である。
しかし、作中通して“最強”になりえる個性的な能力が多数登場するのも、『ジョジョ』の魅力の一つといえるだろう。
あの能力ははたしてDIOに打ち勝つことができるのか……新たなキャラクターが登場するたび、ついついそんなことを空想してしまうものである。